第二話
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受け入れているようです。それにいつも負けていますし」
体面というものもあるだろうが本人同士が気にしていないのならいいのだろう。きっと。
ふとレイフォンは道場破りを思い出した。グレンダンには武芸の門派が数多く存在する。数が多ければ流行り廃りもあり後継や門下生などの問題を抱えているところも数多くあった。そんな場所が手っ取り早くそれを解決する方法の一つが他の門派を下し名を挙げ優位性を誇ることだ。レイフォンが収めたサイハーデン流刀術は小規模ながら歴史も古く、複数の大会優勝者であるレイフォンやサリンバン傭兵教団というお墨付きもあった。何度か来たその類を養父やレイフォンが叩きのめしたこともある。
「その御蔭、というのも嫌ですが向こうの隊とはそこそこ仲がいいです。結果的に隊長としてはありがたいんじゃないですかね」
「気苦労が耐えなさそうですね」
そう呟いたレイフォンをフェリの眼がジッと見つめる。
何かを探るように。
感情が見えない、容姿も相まり人形のようなフェリの瞳にレイフォンは心の奥まで見透かされるような錯覚を感じる。
「そう言えば新入生でしたねあなたは」
レイフォンに向けてではなく自身へ確認するようにフェリは言う。
それは一体どんな意味が込められた言葉なのか。
レイフォンが口を開くよりも早くフェリは立ち上がり、ニーナたちの元へ行く。訓練に参加するために。先程までこの場からの参加で問題がなかったのに。まるで自分の言葉へのレイフォンの追求を逃れるように。
その背中から拒絶に似た感情を感じたレイフォンはそれ以上聞こうとはしなかった。
レイフォンたちは終了時間まで、ただ漫然とニーナたちの訓練風景を眺め続けた。
一通りの訓練風景を眺め、レイフォンたちはフェリに送られて帰ることになった。
というよりもレイフォンが怪我をしたため医務室に行くことになり、そのまま帰ることになったのだ。
「すみませんレイフォン」
「完全に不意打ちでしたね」
空中を飛び交う硬球のうちの一つ。それがクラリーベルの方に飛んできた。意識することさえなくほぼ反射の域で硬球を弾いたその拳が、隣にいたレイフォンを殴り飛ばしていた。活剄を使えばすぐ治るが絆創膏くらいは貰っておいたほうがいい。
「ロス先輩も、別に送って貰わなくても」
「いえ、そろそろ帰りたかったので」
抜け出す口実ついでということだろう。ニーナが聞いたら怒るだろうなとレイフォンは思う。
「いつものことなので平気です」
レイフォンの思考を読んだようにフェリが言った。
フェリとクラリーベルを外で待たせ、レイフォンは医務室に入った。練武館の使用用途の為かそこそこ大きくベッドの数も多いようだ。
一つだけベ
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