第二話
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きた硬球がレイフォンの足にぶつかる。場に染み込んだ空気から普通科の制服が酷く浮いていると感じた。
片隅に置かれた休憩用のベンチに二人の男がいた。片方は帽子を被りツナギを着ている。もう一人は武芸科の制服を着た金髪の青年だ。二人は真面目な顔でボードゲームをしていた。
「おいお前たち、何を遊んでいる」
「そう怒るなって。ニーナ達は出ててあいつも何時も通りだ。やる気起きねえって。どれだけサボって新入生の可愛い子見つけに行こうと思ったか」
「シャーニッド……先輩がそれでは困る」
「そう言われてもねぇ……というかそれイメチェンかニーナ。似合ってるぞ」
爆笑しているシャーニッドと呼ばれた青年の横、ツナギを着た青年がレイフォンを見て驚いた顔をしつつ軽く手を上げる。
「レイフォン久しぶり」
「お久しぶりですハーレイさん」
ひどくあっさりとした挨拶だがそれで十分だ。喜んでくれているのは分かるし感極まる場でもない。
ハーレイは前と全然変わっていなかった。二年の歳月分の成長はしていたが纏う雰囲気は前のまま。縒れたツナギを着ている姿が記憶にあるままだった。
フェリはベンチの隅に座り荷物から本を出して読み始める。我関せずの様子でこちらに関わる気が全くないようだ。
シャーニッドがレイフォンをまじまじと見る。
「お前があのレイフォンか? いや、あの、って言われても分からないか」
「あー、大体予想は付きます」
ハーレイとニーナの知り合いならば知られていても仕方ないだろう。一体どんないわれ方をしているのかは気になるが、シャーニッドの反応を見るに変な扱われ方はされていないらしい。
それにしても、とレイフォンは考える。最初はニーナに会えた嬉しさ等で感じなかったがここに来て嫌な予感が湧いてきている。
「そっちの可愛い子はレイフォンの彼女か?」
シャーニッドに指されたクラリーベルは軽く首を横に振る。
「違います。この場では保護者ってところでしょうか」
ハーレイの横でボードゲームの盤上を眺めているレイフォンを呆れた目で見つつクラリーベルは近くのニーナに視線を移す。
「ニーナさん。先に言っておきますがレイフォンは小隊に入りませんよ」
「……気づいていたか」
「襟元のバッチを見た時から大凡は。色々怪しかったので」
フェリは明らかにレイフォンを探しに来ていた。それも様子からして誰かに頼まれて。その後にフェリを連れてニーナが現れたのだからニーナが頼んだと考えるべきだろう。ただ顔馴染みとして合うだけならばフェリを使う必要もない。ならば別の理由があったはずで、フェリとニーナには共通したバッチが付いていた。それはクラリーベルの知識が正しければ小隊の所属を表すものだった。
単なる勧誘ならばレイ
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