暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五八幕 「ミサイルハッピー」
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どの細やかな機体コントロールを恐るべきスピードで消化する。今まで出来なかったことが出来るようになる、新たなステージの扉を開く快感。僕はまた少し前へ進めたようだ。
この短期間でやるべきことを全て出来た。賭けには勝った。まだ僕は―――
「前へ・・・進めるッ!!」
地表激突寸前に2番バーナーが激しく噴射し、体が押し潰される錯覚さえ覚えるGが機体を軋ませる。やはりバランスが取りきれなかったためにフィンスラスターが火を噴き、その強引な修正がさらに体に負荷をかける。簪が一瞬遅れて山嵐を斉射した時には、既に風花は落下から反転し急上昇を開始していた。
まるで一つ一つが生物の様に有機的に動くミサイルだが、ユウの急激な速度変化に追跡が遅れる。本来ならそれでも絶対に間に合わない速度ではなかったし、途中でミサイルを自壊させればダメージを与えることが出来た。しかし、簪の「立て直せるわけがない」という先入観が一瞬・・・ほんの一瞬思考を鈍らせた。
「・・・ミサイルのトレースが、間に合わない・・・!」
撤退の判断そのものは早かった。後退してパートナーと連携すれば手負いのユウを撃破するのは難しくない。鈴も既にシャルに追い詰められている以上ここで不要なリスクを負うのは割に合わない。
―――そう考えた簪だったが、間に合わなかった。
「捕まえ・・・たぁ!!!」
「しまっ・・・!」
現行ISの中に、直線距離で風花から逃げられるISなど存在しない。バーナーによる噴射加速は1つでも十二分な推進力を生み出し、その腕が確りと打鉄弐式のスカートに手をかけていた。
「噴射加速最大!!おぉぉぉぉぉ・・・りゃぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
「滅茶苦茶な・・・きゃああっ!!」
バーナーの噴射と同時に体を捻り、ISのパワーアシストを全開にする。抵抗する簪だが打鉄弐式にはゼロ距離で使用できる兵装が存在しない。強烈なGと遠心力をその身に乗せて、ユウは彼女を全力で投げ飛ばした。
投げ飛ばされた先は・・・シャルと鈴音の丁度直線状。今まさに鈴への止めを刺さんとシャルが“ジョークポット”を発射した瞬間だった。
それは事故でも嫌がらせでもなく・・・敢えて言うならば意趣返し。鈴に大量のミサイルを放った直後のシャルが舌打ちをする。
「簪を強引に巻き込む気!?それとも彼女を盾に鈴を助ける気かな!?どっちにしろ残念でした!僕と簪のミサイルは全部ぜーんぶフレンドリーファイア対策を完璧にしてあるんだよ!!」
その言葉が示す通り、投げ出された簪に命中しないように発射されたミサイルたちが次々に弾道を変化させ、全て別角度から鈴を追跡し始める。だが、そうなることは知っていた。知っていたうえで敢えて言おう、予想通りだと。
「残念、正解は今から始まる大博打のコイントスだよ」
「
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