暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五八幕 「ミサイルハッピー」
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アレ?誘導が甘かったかなー?弾速が速すぎると細かい誘導(コントロール)が効きにくくて大変なんだよねー」

AP弾とは日本語で言えば徹甲弾。しかもクラスターという事はあの大型弾頭の中にぎっしりとそれが詰まっていることを意味する。そして半誘導式という言葉からして完全ではないにしろ誘導機能がある程度備わっているのだろう。そしてその情報をぺらぺらと喋るシャルロットに鈴は歯噛みする。

―――ばれた所で鈴に僕は追い越せない。シャルはそう言いたいのだ。代表候補生としての格が違うと言わんばかりの態度と、実際にそれ相手に痛手を負ったという現実が重く圧し掛かった。そして被害はそれだけに留まらない。

ズガガガガガガガガガガンッ!!

『かはっ・・・!?』
「な、ユウ!?しまった・・・!!」

鈴が回避したAP弾は鈴だけを狙ったものではなかった。むしろ鈴はついで、本命が簪を追い詰めつつあったジョウと風花だったのだ。ここにきて鈴は自分のうかつさを呪った。ハイパーセンサーで確認した限りでも風花は明らかに背部のバーナーやバーニアに甚大な被害を負っている。かといって今シャルに後ろを見せれば致命的な隙を晒してしまう。―――こういう状況になると分かってて、シャルは狙ってこれをやったのだ。

踊らされた。この中国代表候補生である凰鈴音が。同年代、同級生、同格であるはずの少女に。

だがそれを悔しがる時間すら鈴にはない。既にその手に試作連射式ミサイルガン“ムーランナヴァン”を握ったシャルが追撃を仕掛けていたからだ。

「駄目だよ鈴?パートナーのフォローはしっかりしておかないとねぇ?じゃないと・・・こうして隙を晒すことになるからね!!」
「きゃぁぁぁ!!くぅ・・・負けるかぁぁぁ!」
「強がりはいいんだよ!欲しいのは結果!ミサイルで倒したという結果!!」
「そんなものが欲しくて、アタシ達から簪を奪ったのか!!」
「大事なものだよ!!僕とデュノア社にとってはねぇ!!!」

回避行動が間に合わず数発のミサイルが至近距離で爆発する。甲龍の頑丈な装甲はどうにか衝撃に耐えたが、シールドエネルギーは着々と削られている。脚部バランサーをやられたことが響いているのは明白。そしてミサイルと言う使い時を選ぶ兵器を隙も晒さず使い続けるシャルの並はずれた技量。衝撃砲で牽制して何とか距離を離しつつも、鈴は敗色が濃厚であることを肌で感じていた。

だが、逆転の目はまだ残されている。甲龍と風花に残された最後の切り札・・・それを切るタイミングは決して間違えてはならない。

(問題はユウの援護なしに“あれ”を成功させられるかどうか・・・見極めるのよ、凰鈴音。チャンスは必ず訪れる・・・!)




時間は少し遡る。

シャルのクラスターAP弾によりバックパックに甚大
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