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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五七幕 「支線、視線、死線」
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われた方が納得できそうだ。突入メンバーの数人が軽口をたたくが、それでも警戒を怠っていない辺りは流石と言える。そんな中、ジョウの第六感がこの空間に反応した。
(・・・?センサーにあの装置以外の動体反応はない・・・が、誰かに、いや何かに見られている・・・)
昔どこかで見た台詞・・・「第六感は友達、全面的に信頼せずとも耳を貸す価値はある」と言う言葉を思い出す。ジョウにとって勘というのは大親友だ。だから勘が告げた内容には絶対に耳を傾ける。そうして彼は生きてきたのだから。
だからジョウは無駄口を叩く部下を叱る隊長にその旨を伝えようとし・・・その行動が少し遅かったことを悟った。
「静かにしろ馬鹿ども!警戒を怠るには早・・・」
ギャリリリリッ!!
その言葉が終わるよりも前に、ジョウは弾かれるように隊長の面前に手を突きだしていた。その掌が、“何もないはずの虚空”を金属がこすれる音と共に掴む。
全員の息が止まる。続いて夏黄櫨の凄まじい握力によってそれがべきり、と音を立てた。その瞬間、隊長の目と鼻の先に大きな金属製の切っ先が途中から折れた状態で姿を現す。―――そこに至って隊長はようやくそこに自分の肉片を床に散らさんとした「敵」がいる事を認識した。
「・・・ッッ!!密集陣形!!」
『隊長さん、そのまま壁際に撤退してくれ!!こいつ“ら”・・・こっちとは全く別系統の光学ステルスを持ってるぞ!』
「こいつ“ら”・・・!?まさか!!」
ジョウの眼前の空間がブレる。同時に大型装置の上部、続いて積み重ねてあった廃材の2カ所がまるで“上にISが立っているかのように”不自然に凹む。ハイパーセンサーでも目視以外では何の存在も検知できないそいつらは、しかし確かにそこに存在した。
『3機・・・他に隠れている奴はいなさそうだが、参ったねこりゃ・・・!!』
「こいつらがせがれを・・・!?」
「くそ・・・こんな真似が出来るのは、IS以外有り得ねぇ・・・!!」
突入メンバーはジョウを除いて6人。当然ながら大型の武器を振り回す敵に対して有効打は持っておらず、攻撃を防御する手段も実質無いに等しい。対して未確認敵生体は3機。ジョウではなく潜入員を真っ先に狙ったことから優先目標は数減らしか目に入った相手を片っ端から倒すのかは分からない。
護衛対象6人。敵3機。そしてこのISが戦うには狭い空間。引けば突入メンバーの命はないだろう。
姿も大きさも武装も不明の未確認機3機を相手にした防衛、それがジョウの為すべき仕事になった。
死線が、始まる。
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