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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五七幕 「支線、視線、死線」
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扉に辿り着きそうだな』
「ほう・・・気付きましたか。いやはや貴方も才覚に恵まれているようですねぇ」

用途不明のハッチの奥へ既に200メートルは進んでいるが、未だに目に映るのはひたすら下へと続く通路だけだ。通信状況も進むほどに悪くなっていき、現在音声通信は雑音(ノイズ)を吐き出すだけの存在と化している。足場を確認する最低限の明かりすらなく足音だけが木霊するこの空間に長時間いれば、行き先の見えない不安と閉塞感は精神を消耗させるだろう。空気もあまりいいとは言えず、マスクが早速役に立っているようだ。
だがその代わり映え無い道もそろそろ終点・・・若しくは本当の入り口に近い。

『熱源反応探知。何かの装置があるな』
「こちらでも確認しました。先行してください」

促されるままに歩みを進める。既に侵入メンバーは全員が臨戦態勢であり、何が出てきてもいいよう銃器のグリップを握る手にも自然と力が籠っている。
やがてハイパーセンサーが入口と同じ規格と思われるハッチを捉えた。この扉も工場のシステムから独立しており、当然ここも力尽くで破る。人間だけなら手間取るであろう工程もISがあれば大幅に短縮が可能だ。ひょっとしたら、いずれ『作業用IS』なんてものも生まれるかもしれないな、等と考えつつジョウはその拳でハッチをこじ開ける。工事現場の重機すら砕く程の力に蹂躙されたハッチは抵抗もなくひしゃげるしか道はなかった。



やがて侵入したその場所に一同は絶句した。その空間は長年あらゆる場所であらゆる経験をしてきたメンバー達でさえ異質と言い切れる空間。

「なんだこりゃ・・・でけぇ」
「とてもじゃねえが表の企業が作るような装置には見えねないッスねぇ・・・」
「これは一体なんの装置だ?」
『これはまた・・・どうしてこんな物が?』

突入したメンバーから思わず戸惑いの声が上がる。そこはそれなりに広い地下スペース。人の気配はなく、電気も止まっている。そしてその空間の半分を占めている物が全員の目を引いた。
全長20メートル以上、高さもおそらく10メートル以上はあるだろうか。外見からでは全く用途の分からない巨大な装置がそこには鎮座していた。ただ、よく見ると工場内で作られた廃材を投入しているらしき部分があるためこれで何かを作っているのだろう。
周囲はこれまた用途の分からない台座や観測装置のようなものが乱雑に散らばっており、研究施設や秘密工場の類としては余りにも統一性が無い。

「あっちのパーツは何だかポ〇モン転送マシンっぽくないッスか?」
「分かる分かる。しかし真ん中のパーツはどことなく〇イレント缶工場に似ているような・・・」
「それ笑えないからやめてください!」

妙にSFチックな形をしている部分が見受けられ、むしろ子供用のアスレチックだったと言
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