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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五七幕 「支線、視線、死線」
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の如き炎を上げる想いの赴くまま、鈴は双天牙月を振りかざす。



同時期、風花も戦闘に突入する。
風花は噴射加速に目を取られがちだが機体性能自体はそれほど優れているわけではない。また、ユウは格闘家として優れてはいてもIS操縦者として飛び抜けた技量は持っていない。それでも彼が高いポテンシャルを発揮しているのは彼自身と風花の相性がすこぶる良いからに他ならないのだ。

今からユウが戦うのは日本の代表候補生。ISの性能は向こうが上、ISの技量も向こうが上。だが、彼女は洗脳によって若干ながら思考能力が落ちているようだ。それに加え、彼女の攻撃には敵を打ち破る意志が欠けている。そういうことを考慮して、勝率は5割と言った所だろう。

「どぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁああああ!!」
「・・・ッ!山嵐・春雷同時発射ッ!!」
「させるか!鳴動、広域発射ぁ!!」

鳴動の粒子砲収束率を故意に下げた広域モードは、威力と射程が大幅に下がる分攻撃範囲が広がり、近距離なら発射されたミサイルの大部分を撃ち落とせる。春雷は腕に展開したバリアで撃ち流し、懐に入る。
願わくばこの一撃で、と思ったユウだったが―――

ズガガガガガガガガガガンッ!!

「かはっ・・・!?」

突如背中に奔った凄まじい衝撃に呼吸が止まった。全身の筋肉を蹂躙するような衝撃と三半規管を狂わせる振動がユウの身体を容赦なく揺さぶった。突然の事態に何が起きたのか把握できないまま、ユウはゆっくりと目の前の簪が振りかぶった薙刀”夢現”を食い入るように見つめる。遅れてISが警告文を吐き出す。

―――バーニア1番から4番破損、使用不能。
―――バーナー1番破損度60%。あと一度の使用で全損の可能性あり。
―――背部装甲消耗率40%。残りシールドエネルギー430。

1番バーナーが破損したことで噴射加速が一時的に使用不能。バーニアがすべて駄目になったせいで方向転換も間に合わない。フィンスラスターで避けようにも、既にこの距離では方向転換したところで夢現を避け切れない。
遠くで鈴の悲鳴が聞こえた。だが、ユウは助けに行くどころかこちらが助けを必要としている状況だった。

「・・・油断大敵、そして・・・サヨナラ」
(・・・どうする!どうすれば・・・兄さんならこんな時、上手く考えるんだろうか・・・?)

ほぼ無意識に、ユウは簪の無表情な顔を見た。ユウには不思議と彼女の顔が泣いているように見えた。そして―――



 = =



何となく弟が追いつめられているような気がして頭を上へあげるジョウ。だが、大した危機ではないだろうと直ぐに目の前に目線を戻す。気を緩めてはいないし、ユウは自力で試練を乗り越えるだろう。

「如何しました?」
『いや、音の反射からしてそろそろ壁か
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