暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
5弾 アリア襲来!
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在しないし。



 簡単には帰ってもらえなさそうだというが分かったので、仕方なしにコーヒー代わりの紅茶を出してやると、アリアは、

「は?何これ?あたしが頼んだのはコーヒーのはずなんだけど?何で紅茶なのよ」

 カップの中を見るなり、そう言い出した。

「俺はコーヒーより紅茶派なんでな。この部屋にコーヒーなんてものはない。どうしても飲みたいんだったら、自分の部屋に帰って飲めよ」

「別にいいわ。あたしも紅茶好きだし」

「なら最初から文句なんて言うな」

「あら、美味しいじゃない。この紅茶。ダージリン?」

「ああ。それも、わざわざイギリスから取り寄せた一級品のな」

 両手でカップを持ちながら紅茶を飲むアリアを眺めながら、俺も紅茶を一口飲み、それから本題に入る。

「で、何でいきなりお前はここに来たんだ?」

 少しのため息とともに言うと、アリアはカップを持ったまま、きろ、と(あか)い目だけを動かしてこっちを見た。

「わかんないの?」

「説明されてないのに分かるわけないだろ。俺の推理力はそんなに高くないからな」

「あんたならとっくに分かってると思ったのに。んー……でも、そのうち思い当たるでしょ。まあいいわ」

 お前がよくても俺がよくない。

「おなかすいた」

 アリアはいきなり話題を変えつつ、ソファの手すりに身体をしなだれかけさせた。

 なんだか女っぽいその仕草に、俺はちょっと赤くなって視線を()らす――――なんて訳ないので、そのままアリアの方を見ながら、

「さっさと帰れ」

 帰宅を勧めてみた。

「なんか食べ物ないの?」

「ねーよ」

 というか、あっさり人の発言を流すなよ。

「ないわけないでしょ。あんた普段なに食べてんのよ」

「食い物はいつも下のコンビニで買ってる」

「こんびに? ああ、あの小さなスーパーのことね。じゃあ、行きましょ」

「じゃあじぇねえよ。腹減ったなら自分の部屋に帰れ」

「早く準備しなさい。もう夕食の時間よ」

 ダメだ。話が噛み合ってない。

 俺が頭痛に額を押さえていると、アリアはバネでもついてるかのようにぽーん! とソファーからジャンプして立ちあがった。

 そして俺の方までととんと歩いてくると、顔を近づけてこっちを顎の下から見上げてくる。

「ねえ、そこって松本屋(まつもとや)のももまん売ってる? あたし、食べたいな」



 武偵には、気を付けなければならないものが3つある。闇。毒。そして女だ。

 その3つ目ことアリアは、コンビニでももまんをなんと7つも買った。

 ももまんとは一昔前にちょっとブームになった、桃っぽい形をしただけのあんまんなの
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