月光校庭のエクスカリバー
第30話
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も知ってるみたいだったけど?」
「始業式に一緒に特待生として表彰されたんだ。顔合わせはしてる」
この学校では年度初めの始業式に特待生は表彰される。俺は二年の特待生。そして天護は一年の特待生だ。それ以外の面識はない。それにアイツは印象に残る。
「お前はどうして知ってるんだ?」
「一年生の特待生として記憶にあるし、中学も同じだったからね」
「同学年ならともかく下の奴も覚えるか?普通」
「彼女について調べることがあったからね。いつもベールをしてるから」
祐斗が言うように彼女はいつもベールをしている。それが印象に残る理由だ。
「それで調べるのか」
「うん。ほかの国ならともかく日本じゃベールなんてふつうしないからね。それで教会の人間じゃないかって疑ったから」
なるほどね。まぁ、彼女の顔を見ればベールをしてる理由なんてすぐに検討が付きそうだが。
「結果は?」
「真っ白。教会の『き』の字も出てこなかったよ。朔夜君なら気づいてると思うけど彼女はアルビノだったよ」
やっぱりか。
彼女は、白い髪に肌、そして赤い目をしている。一般的に知られているアルビノの症状だ。
「これ以上の詮索はやめよう」
意味もなく赤の他人の情報を集める趣味は無い。
「そうだね。それに早くいかないと昼休みが終わるからね」
俺たちはそのまま職員室に向かった。
◇◆◇
「で、何があったんだい?昼休みにイッセー君らしき人の悲鳴が聞こえた気がするんだけど」
「ひたひ」
「大丈夫ですか?」
その日の放課後の部室、俺たちの目の前には顔の形がゆがんでいるイッセーがアーシアの治療を受けていた。
「・・・自業自得です」
少し離れたところに不機嫌な小猫が座っている。
「なんでも、あれと坊主とメガネが女子更衣室のロッカーに潜んでたらしい」
「小猫ちゃん以外によくばれなかったね」
「ご丁寧に潜んでたロッカーに故障中の紙を貼ってたんだそうだ」
なんでそんなことを思いつくのやら。
ちなみに松田と元浜は腹部に一撃入れて気絶させたらしい。さすがに人間だからタコ殴りにするわけにはいかなかったようだ。
「呼ばれた後、こそこそしたと思ったらそんなことを企ててたとは・・・」
「朝二人に誘われてな。そこに桃源郷があるんだ!行くしかないだろ!」
全く反省してないな。
「・・・まだ懲りてませんか」
「手を貸そう、小猫。大丈夫だイッセー。アーシアが居るんだ。いくらでも治せる」
「それはいくらでもボコれるという意味だよな!と言うか最近暴力的じゃないか!?」
「人間だった時は下手に怪我をさせるわけにはいかないからな。だが今のお前は悪魔で、なおかつ医療体制が万全なんだ。安心しろ、限度は弁えてる」
むしろ今までそれほど暴力に走らずに止めていた俺
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