2人の滅竜魔導士
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された。
「お互いの竜の性質の違いが出ちまったなぁ、火竜」
煙が晴れると、そこにはナツのブレスを喰らったのに無傷のガジルが立っていた。
「たとえ炎が相手を焼き尽くす息だったとしても、鋼鉄には傷1つつけられん。逆に鉄の刃の息は貴様の体を切り刻む」
「う・・・ぐ・・・」
対するナツは、立ってはいるものの、体中に鉄の欠片が突き刺さっていた。
「ナツ・・・」
「あいつ、強い・・・」
そんなナツを見て、ルーシィとハッピーが声を漏らす。
「あ?」
・・・が、ナツは怒りを含んだ目でガジルを睨みつけた。
「!」
するとその時、ガジルの額が割れた。
「う・・・」
「俺の炎もただの炎じゃねぇぞ。火竜の炎は全てを破壊する」
そう言いながら、ナツは立ち上がる。
「本気でこねぇと砕け散るぞ、鉄竜のガジル。探り合いはもう十分だ」
身体全体から炎を吹き出し、ガジルを睨む。
「え?」
「探り合い・・・て・・・」
「お互い本気じゃなかったんかー!」
「こいつらバケモンだー!」
ナツのその言葉に驚愕するルーシィとファントム達。
そう・・・先ほどまでの激しい戦いは、全く本気ではなかったのだ。
「この空に竜は2頭もいらねぇ。堕としてやるよ・・・火竜のナツ」
ガジルがナツにそう答えた、その瞬間!
「きゃあああああああああああっ!」
悲鳴が響いた。
それを聞いたナツ達は動きを止める。
ガジルは何があったかをすぐに察知し、ニヤリと笑った。
「今のって・・・」
「ティア・・・か?」
そう。
この声の主は、シュランによって体を水にする事を封じられた・・・ティア。
「どうやら、シュランのヤローにやられたみたいだな。そのティアとかいうヤロー・・・死んだんじゃねぇか?アイツが自分から戦いに出る時は、相手を確実に仕留める時だけだからな」
ガジルが不敵な笑みを浮かべる。
・・・が、ナツは全く動じず、逆に笑った。
「何言ってやがんだ。ティアは死んでなんかねぇぞ」
そう。
ナツにははっきり聞こえていた。
悲鳴の後の、いつものティアの自信に溢れた声が・・・。
「・・・大した事ありませんでしたね」
シュランは溜息をつき、その部屋を去ろうとする。
その近くには傷だらけで倒れるティア。
その姿を見てシュランは微笑み、ドアノブに手をかけた、その時。
「・・・何を言っているの?」
声が、聞こえた。
慌ててシュランが振り返った瞬間、その顔に圧縮された水が直撃する。
「あら・・・まだ生きていたんですか」
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