2人の滅竜魔導士
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一方、ファントムギルドの別室では、ティアが幽鬼の支配者最強の女、シュランと戦っていた。
「無駄よ!」
迫りくる幾千もの赤い蛇は、ティアをすり抜けその背後の壁へと撒き付く。
ティアの背後の壁は様々な色や太さ、長さの蛇模様で埋め尽くされていた。
「その体・・・厄介ですね」
シュランは呟くと、姫カットの髪と同じローズピンクの魔法陣を展開させる。
「迅速の蛇!」
「何度やっても結果は同じよ!」
先ほどより明らかに素早い蛇も、ティアには通用しない。
高く跳躍してその蛇を避け、右手に魔法陣を展開させた。
「大海白虎!」
そして魔法陣を通して水で構成された虎を放つ。
「爆発の蛇」
するとシュランの蛇が虎に巻き付き中に入り、中から虎が爆発した。
煙が晴れると、シュランが一気にティアへと向かってくる。
「無効の蛇」
紫色の蛇がティアの腕に巻き付く。
・・・が、何も起こらない。
爆発する訳でも、雷が落ちる訳でも、頭上からタライが降って来る訳でもなく。
「・・・何よ」
「電撃の蛇」
そこにまた蛇模様が走る。
「こんなモノ・・・」
ティアは通常通り体を水に変換して無効化しようとするが、少し目を見開いた。
「っ!?」
そして横に転がり、蛇を回避する。
そこから跳躍し、綺麗に着地を決め、シュランを睨んだ。
「アンタ、何をしたの?」
「・・・と、おっしゃいますと?」
「恍けないで・・・さっきの無効の蛇、あれは喰らっても攻撃されなかった。あの蛇は、私が『体を水に変換する』のを『不可能』にする・・・つまり、私の唯一の防御法を『無効化』した・・・違う?」
ティアが淡々と説明すると、シュランはにっこり微笑んだ。
「えぇ。その体は厄介ですもの。無効の蛇は発動者が『無くしたい』モノを『無くす』・・・簡単に言えば『無効化』する魔法です」
「厄介な事してくれるじゃない・・・」
「私にとってはその体の方が厄介でしたけどね」
つまり、これで現在のティアはどんな攻撃でも受けてしまうのだ。
いつもならすり抜ける攻撃も、今のティアが喰らえばダメージを受ける。
火竜の咆哮を喰らえば火傷を負い、剣で斬られれば傷を負う。
「ま、これで対等って訳ね」
ティアは肩を竦め、薄く微笑む。
「では・・・始めましょうか。今ガジル様は火竜と戦っているでしょう。この真上で・・・」
「真上?」
ティアが首を傾げると、シュランはご丁寧にも説明を始め
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