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銀河親爺伝説
第一話 邂逅
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のだ。ヘルマン・フォン・リューネブルク、本当に嫌な奴だ! 何であんな奴と……、大体このヴァンフリートW=Uとは何なのだ。何故こんなところに待機を命じられるのか……。

分かっている、分かっているのだ。ヴァンフリート星域の会戦は酷い混戦で終わった。大体この通信の維持が困難な星域で大規模な繞回運動を行なうなど総司令部は一体何を考えているのか! 低能のボンクラ共が! 挙句の果てに混乱して艦隊の座標位置まで分からなくなるとは低能の極みだ。帝国軍が負けなかったのは運が良かったからではない! 反乱軍が帝国軍に負けず劣らずの低能振りを発揮したからに他ならない!

極め付けはグリンメルスハウゼン艦隊はヴァンフリートW=Uで待機だ。戦闘中何の役にも立たず漂っていたグリンメルスハウゼン艦隊にミュッケンベルガー元帥は嫌気がさしたらしい。役立たずのお荷物は引っ込んでいろ、そういう事なのだろう。

だがこのヴァンフリートW=Uには反乱軍の軍事拠点が有った。俺が偵察するべきだと言ったのに司令部の参謀共に拒否された。何故拒絶する? ここはイゼルローン要塞にも近い、放置する事は危険な筈だ。それなのに連中は愚にも付かない理由を述べて偵察を拒否するのだ。おまけにリューネブルクにはそれを許しあまつさえ奴を攻略部隊の指揮官に任命するとは……。何で俺が奴の副将なのだ、全く納得がいかない!

オストファーレンの廊下をキルヒアイスと歩いていると前方に人影が見えた。壁に背を持たせ腕組みをしている。リュッケルトだった。俺を待っていたのかもしれない。そう思うと憂欝になった。嫌いではないが苦手だ。グリンメルスハウゼンの捉えどころの無い雰囲気とは違うがリュッケルトは俺を憂欝にさせる何かを持っている。

無視して通り過ぎようとした時だった。低い声が聞こえた。
「相変わらず不満が有るらしいな」
「……」
「面白い話を聞かせてやる、付き合え」
そう言うと俺達の返事を聞かずに歩きだした、俺達が来た方に。

「聞きたくない、と言ったらどうする」
「いいから来い、為になる話だ、少しは利口になるだろう」
リュッケルトは振り向かない、そのまま歩いている。どうするか? キルヒアイスと顔を合わせたがキルヒアイスも困惑している。
「早くしろ」

面白くなかった、だが後を追った。話しを聞くだけだ、面白くなければ怒鳴りつけてやる。でも多分そんな事は無いだろうとも思った。リュッケルトが案内したのはオストファーレンに有る士官用の部屋だった。だが中は様々なガラクタが置いてある、物置部屋だ。密談には相応しいかもしれない。

「ここは俺の部屋だ」
「卿の? しかしこれは……」
俺もキルヒアイスも混乱した。これがリュッケルトの部屋? どう見ても物置部屋だ。
「司令部が用意してくれたのさ、なかなかだろ
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