暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三話:依頼受諾
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、その貴重なお金を使ってでも外の人間を頼るのは、何故ですか?」

 ちょっと強いからって、モモに勝てるかどうか知らないけれども。
 間違って倒されても困るし、モモに人を傷付けさせたくないから、下手なことされなくて私は良かったけど。
 ちょっと気になるので、折角だから聞いてみます。

 またさりげなく後ろに下がりつつ手を引いてみますが、あくまで手を離さないカールさんが、私が下がった分また距離を詰めながら口を開きます。

「……おらも、それは考えたども。化け物の正体もわからねえのに無茶して、働き手を死なすわけにはいかねえって。それなら腕の立つ人間を雇って、金でどうにかできるならそうするべって、村長さんが」

 若い労働力は、農村では貴重だろうからね。
 金と命を、秤にかけた結果か。
 依頼を受ける側だってリスクとリターンを考えて受けるか決めるだろうし、まあ正しい判断だね。

 しばし俯いてぽつぽつと話していたカールさんがまた顔を上げ、私の手を強く引き寄せて真剣な顔で訴え始めます。
 ……って、近い近い!

「お願えだ!あんたくらい強くて、信用できる相手はそうは見付からねえ!ばあちゃんも子供らも腹減らしてて、もう限界なんだ!自分らは後ろに引っ込んで、余所者のあんたに命懸けさせるのは、筋が違うとは思うだども!どうか、後生だから!」
「わ、わかりました!受けます!お引き受けしますから!少し、離れてください!ていうか離して!」

 熱意のあまりか、もの凄い至近距離に迫られてるんですけど!
 顔がくっつきそうなくらいに!
 手を掴まれてるから逃げられないし、もうわかったから離せ!

 という私の後半の訴えを完全に無視し、了承の答えにカールさんが顔を輝かせます。

「本当だか!?やれえがった、これで村も安泰だ!まずは前金として、金は半分渡すから!きっと、きっと来てけれな!おらたちの村は、ここから南に行った、カボチ村だから!」
「行きます、ちゃんと行きますから!だから離して、離せ!近いから!すごく!」

 と、たぶん私の訴えを聞いたわけでは無く、お金を取り出すためにカールさんがやっと手を離してくれます。

 ああ、やっと離れられた。

 とすかさず少し後ろに下がった私にまた距離を詰め、カールさんがお金の入った袋を押し付けてきます。

 ……だからいちいち近いんですけど!
 カールさんのパーソナルスペースは、狭すぎです!
 むしろそんな概念すら無さそう!

「んじゃ、おらは先に村に帰ってるから。ドーラさん、きっと来てくんろよ!」
「え?今から、帰られるんですか?もうすっかり、暗いですけれど」
「いつものことだ。宿代がもったいねえから、どんなに遅くなっても日帰りで村には帰るだ。んじゃな」

 事
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ