1年目
春
春B〜私が存在する理由を〜
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―――そんなこと言って寝てたんだろ?わざわざ起こしてやったんだから感謝しろよー!
―――寝てねぇ、って!
そんな会話が玄関の扉越しに聞こえ、段々と遠ざかっていく。
拓海は今生きている人間。私は幽霊。しかも悪霊。
寂しい、なんて思っちゃダメだ。うん…。
そうだ、テレビでも見よう。
―――プツン。
あ、ちょうどドラマの再放送してる!これ見逃してたから嬉しいや!拓海、すぐ音楽番組に変えちゃうんだもん。まったく、ひどいやつだ。
うん!やっぱり岡田君はかっこいいなぁ!
拓海も、ミュージシャンは髪が長いもんだ、とか言って伸ばさずに短くすればいいのに。絶対似合うと思うんだけどなー…。
……私は元気だ。
今日も元気に悪霊してる。
そう自分に言い聞かせ笑顔を作ってみる。
―――食器棚のお皿はカタカタと鈍い音をたてていた。
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