反董卓の章
第5話 「君は『劉玄徳』…………そうだろ?」
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ゴホン!
鈴々に馬正め……あとで覚えておれよ?
「さて、と……愛紗。君の意見を言ってくれ」
「はい…………私はこの連合の参加に、反対――」
……やはりな。
「――でした」
?
でし、た?
「ですが、ご主人様のお話を聞いて……賛成することにしました」
「な!?」
「え?」
「にゃ――っ!?」
私と桃香様、そして鈴々が声を上げる。
朱里や雛里、そして馬正も驚いている。
「ど、どういうこと?」
「はい、桃香様…………今回の董卓殿の件について、これは確実に罠に嵌ってしまったと考えて良いと思います。そして参加しなければ、三州同盟の解消が懸念される大事。これもわかります」
「う、うん……」
「ならば簡単な話だったのです…………連合に参加して、董卓殿の無実を証明すれば良い、と」
「!?」
な、なんと!
「董卓殿を陥れたのは、袁紹であることは間違いがない。で、あれば連合に参加して、その情報を探り、それが虚偽であることを連合の席で弾劾すれば良いのです」
「れ、連合の中で、ですか!?」
「あわわ……そ、そんなことをすれば、連合内で暗殺されちゃいます…………」
朱里や雛里が声を上げる。
確かに……周りが全て敵になりかねないな、それは。
「もちろん、ただの会合の席では否定された上に暗殺されるだろう。だが、証拠を揃えて根回しすれば……できない話ではないな」
「じゅ、盾二様!?」
なんと……主はそのように考えておられたのか?
「大変なことだけど、まあそれは最終手段。俺はもう少し確実にしたいと思っているよ」
「確実って……?」
桃香様が、訝しむように尋ねる。
主は、ふっと笑った。
「別に董卓を討ちたいというなら、討たせればいい」
「「「「「「 !? 」」」」」」
な、なにを……
「但し…………それが『本物の』董仲穎殿である必要はないわけだ」
「………………え?」
私は、ごくりと喉を鳴らす。
それはつまり…………
「策は一つの策を練りに練るものじゃない。策は数多く用意しておくほうが勝つ。ならば……用意すればいいのさ。数多く、様々に」
そういった主の姿は。
まるでかの、高祖を支え続けた稀代の軍師、張良のように見えた。
―― 劉備 side ――
「私達は、反董卓連合に参加します! 出発は三日後! 連合集結の場所は南陽・宛! 皆さんの力を貸してください!」
「「「 オオオオオオオオオオッ! 」」」
決定を下した次の日。
空は暗雲立ちこめるという、曇天の空。
私の言葉に、整列した第一、第二、第三の各軍の兵が声を上げる。
久々の演習
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