暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第5話 「君は『劉玄徳』…………そうだろ?」
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
かもだけど、俺にも何言っているかわからん。

 ただ、慌てた俺に愛紗が……

「よくわかりませんが……何かが溢れました」

 とか言っていた。
 そりゃ溢れているだろう、血が。

 扉で額だけでなく、鼻も打っていたのかもしれないけど……

 結局、俺のハンカチだけじゃとても足りなかったので、改めて布と水を用意してきて治療する。
 といっても鼻血の処理と、血止めに小さな布を詰めてもらっただけだけど。

 ティッシュみたいな便利なものが作れればなあ……

「ずびまぜんでしだ、ごしゅじんざま……」
「あ、いや…………」

 鼻詰まりのひどい声。
 いかん…………普段の愛紗が愛紗なだけに、この声はまずい。
 思わずこみ上げる衝動に、腹筋を総動員して耐えぬいた。

「血は……止まったかな? まだのようなら、新しいのに変える?」
「ばい、ぢょっどお待ぢを………………ふう。大丈夫なようです」

 鼻の詰め物をした顔を隠すように後ろを向いていた愛紗が、こちらを振り返る。

 そりゃまあ…………鼻に詰め物なんて、女の子が見られたくはないわな。
 わかっていたから、後ろ向いて床の鼻血の処理だけしてたけど。

「あ、水で洗うなら、鼻の中洗うなよ。止まった血がまた流れだすからな」
「あ、はい…………まだ血が付いています?」

 再度振り向き、背後にある鏡で何度も顔を確認している愛紗。

 ……やっぱり女の子なんだなぁ。

「いや、大丈夫。まあ、あとで顔洗うだろうからというだけの話だよ」
「あ、はい。そうします……えと、ご主人様、すいませんでした」

 ぺこっと頭を下げる愛紗。
 てっきり額と鼻血の件かと思い、苦笑する。

「いやあ、扉を不注意に開けたのは俺だし……むしろ俺が謝るよ。ごめん」
「え? あ!? ち、違います! 扉の件でなく! というか、あれは私の不注意ですし!」
「は?じゃあ、なに?」

 他になんかやったっけ……?

「あ、あの…………朝の定例報告での、私の失態を……」

 ……………………おお!

「あ〜……そういやそうだった。すっかり忘れていたわ」
「わ、忘れ!?」
「あ、いや…………そうだな、そのことで話に来たんだった、俺。はははは、すっかり忘れていたわ!」

 思わず額に頭を当てて、笑ってしまう。
 そういや、愛紗の部屋につくまでは、どうやって慰めよう、諌めようとか考えていたんだった。

 もう完全に忘れてたわ。

「いやあ……もう、何か言う気が失せちゃったよ。愛紗は可愛いなぁ」
「は!? か、かわ!?」
「あ………………」

 いかん、何言ってんだ、俺は。
 完全に和んじゃって、つい本音がポロッと……

「か、かわ、かわ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ