暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
43話:新たな力 ファイナルコンプリート
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完全な世界を無に還す…!」
「……不完全な世界、か…」
プロトWの言葉を繰り返すように呟く士。
「そうだ。だからこそ、この世界は変わらなければならない!」
「…そうだな、確かにそうだ。この世界は不完全だよ」
そう言い返しながらプロトWをまっすぐ見据える。その仮面の下にある目は、ただ相手の姿だけを捉えていた。
「世界とは人が作り出すもの。人が不完全ならば、世界もまた不完全だ」
環境破壊=c…人が利便性のみを追求し続けたが故の問題。
戦争=c…人が人を憎み、傷つけ合う事で生まれる衝突。
人種差別=c…人が自身と別の生まれの人との少しの違いを受け入れられず、起こってしまう差別。
それら全ては、人の心が決め手となるものばかりだ。
「お前の言う通り、人は皆愚かだよ。矛盾だらけだし、不完全だ」
―――ある奴は自分の母親の笑顔の為に、自分を犠牲にしてでも戦おうとしたり。
―――ある奴は自身が助かる方法があるとしても、人を傷つけるのを拒み、家族と同じ時間を過ごすことを選んだり。
―――ある奴は自分の心を押し殺して、表面では笑顔でいて、皆を安心させようとしたり。
「だけど人間には…俺達には!前に向かって歩こうとする意思がある!今の自分を変えようとする決意が!」
士は右手で拳を作り、胸にドンッと当てる。
「それだけの思いを、俺達人間は
心
(
ここ
)
に持てるんだ!その思いは、人間に力を与える。
未来
(
さき
)
へ向かう為の一歩を、踏み出す為の力と勇気を!」
「人間、愚かでもいいじゃねぇか!矛盾だらけでも、不完全でも構わねぇ!!愚かな自分を、不完全な自分を変える為に…どんなに転んでも、道を間違いたりしても、人は前に進んでいくんだ!!」
そして胸に当てた拳で今度はプロトWをビシッと指差し、大きな声で告げる。
「未来への可能性を捨てて、今の自分を変えようともしないてめぇは、根本から俺達に負けてるんだよ!!」
それを聞いたプロトWの体から、さらに多くの闇が吹き出してくる。
「―――…ふざけるな……ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!」
「何が未来への可能性だ!そんな物を信じるから、世界は滅びていくんだ!今の人類に、世界を変えていく力はない!ただ滅びを自身の手で進めていくのみだ!
ならば人類を滅ぼせばいい!そして作り替えるのだ!完全なる世界に…我らが大ショッカー≠ェ……この私がぁぁ!!」
プロトWの咆哮が、海鳴の海岸に響き渡る。彼の体から吹き出す闇が、彼自身を包み込んでいく。
『クロノ君!大変だよ!』
「っ?どうしたエイミィ?」
『海鳴の海上で、巨大なエネルギー反応を感知!さっきまで闇の書の闇≠ェいたポイントだよ!』
「何っ!?」
その時
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