暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
43話:新たな力 ファイナルコンプリート
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吹き荒れる爆煙。そこから一つの影が転がり出てくる。

「ぐあぁっ!」

マゼンダを基本としたその姿は、勿論ディケイド―――門寺士のものだ。
煙から出て来た士は、ゆっくりと立ち上がり、煙の中にいる筈の人物を見据える。

「バカな…あれ程の力を、たったあれだけの人間だけで……!」

驚きの声を上げながら、煙の中で立ち尽くすのは、禍々しい姿をもった人影―――プロトW。

「お前には人を見る目がなかった、ってだけだろ…」

ま、これでお前らの計画も台無しだな…、とはっきり言い放つ士。
それを聞いたプロトWはギロリと士を睨み、剣を構える。

「ふざけるなぁっ!」
「っ、ぐああぁぁっ!?」

エネルギーを纏った剣が振り払われ、斬撃が士を襲う。

「何故貴様は…貴様らはこの世界を守ろうとする!矛盾だらけのこの世界を…愚かで不完全な人間を、何故救おうとするのだ!?」

怒りと憎悪で歪むプロトWの表情。それを見ただけでも、この世界に…人間に異常な程の憎しみを抱いていることがわかる。

「環境破壊、戦争、人種差別……これらは全て人の手によって作り出された人の罪!人が今のままでは解消しえない、罪深き傷跡だ!だからこそ、今の世界を無に還し、完全なる新たな世界を作りだそうというのに……何故貴様らにはわからんのだ!?」

まるで心の奥底に溜め込んでいたものを、一気に吐き出すかのように、世界や人間への憎悪をぶちまける。
丁度その時、なのは達闇の書の闇′q゙組が、二人の近くに到着する。

「あれは…ディケイドさん!?」
「はやてちゃん、知ってるの!?」
「一回助けてもらったことのある人や。もしかして…あの人が士君なの?」
「う、うん…」
「そうなんだ」
「う〜ん…どうにも実感がわかへん…」

上空でそんな会話をする三人。ディケイドの正体を知らず、士の事は知っていたヴォルケンズも、頭を悩ませていた。

「あれが士君…?」
「なるほど、それならディケイドが我らの事を知っているような口ぶりをするのはわかる。だが……それなら何故管理局の連中に知られなかったのだろうか」
「………」
「…士…なのか…?」

とまぁ、色々な反響を呼んでいる訳だが……今はそれどころではなく。

「……貴様らぁ…」
「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」

目的の物を、直接じゃないにしろ倒した人物達に、プロトWが黙っている訳がない。明らかに怒りの雰囲気をぶつけてくる。

「おいおい…今のお前の相手は俺だろうが…」
「……ならば貴様を倒してから、じっくりといたぶってやるさ…」

そう言いながらゆっくりと切っ先を士に向ける。その背後からは禍々しい黒いオーラが放出されている。

「貴様らを葬って…この不
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