第6章:女の決意・男の勘違い
第6話:仲間を信じて
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(ガーデンブルグ)
マーニャSIDE
昨晩は宿屋へ帰ってこなかったシン……
私達もそれなりに彼の行方を心配したのだが、『可愛い娘が沢山居るから、アイツも頑張ってるんじゃないの?』と朝帰りのリュカが言うので、満場一致で納得してしまい深くは考えなかった。
しかし朝食を終えた頃に城の方から通達があり、罪人として捕らわれてることが判明し皆で城へ訪れている。
シンには直ぐに再会出来たのだが、牢屋で一晩を過ごした為かなり窶れている印象を感じる。
そして再会したのも束の間、私達はシンと共に女王の前へ連れてこられた。
今回の事件の経緯は勿論、何故私達まで罪人の様に此処へ連れてこられたのか全然解らない。
呆然と成り行きを見守っていると、今回の被害者と紹介された一人のシスターと会わされ、事件の顛末を事細かに説明された。
そしてそれが終わると、堰を切った様にシンが言い訳を始め、大まかな事が解ってきた。
「お前……馬鹿なの? 何で見ず知らずの男の家に、招かれたからと言って入っていくんだよ!? 相手が美女だったとか、相手がイケメンでお前が女だったとかなら解るけど……男のお前が男の誘いに乗るって、ソッチ系なの?」
シンには悪いが、リュカの意見がもっともだ!
「俺にだってソッチの趣味は無い! ただ……リュカさんみたいな非常識な人と拘わっていると、もっとまともな人間との繋がりを求めてしまうんだ! アンタ達全員、リュカさん達に毒されて非常識集団に成り代わってるじゃないか! もう俺には拷問なんだよ……」
酷い言われ様だ。私の何処が非常識だと言うのだ?
まぁ……妹と同じ男の愛人になってるのは非常識だと思うけど……
「止めんか!」
リュカとシンが口論していると大声で止めさせ、遂に女王様が話しかけてきた。
この状態だ……きっと女王は一方的に罪を押しつけ、贖罪させようと考えてるんだろう。
私は皆に目配せをし、全てリュカに任せる旨を合図する。
商人すら泣いて値引きに応じさせる男だ……我々が下手なことを言って混乱を増大させるより、任せきって強引に罪を免れる方が賢明だろう。
それが出来る男こそリュカなのだから。
「お前達は何か勘違いしてないか? 妾は、この場に盗人を……それとその仲間等を召喚したのであって、お前等が被害者ではない。聞いてれば男に騙されたなどと戯言をほざきおって……虚言を言ってないで、お主等の罪を認めよ! 全員で徒党を組み、シスターに下賜したブロンズの十字架を盗んだと白状せよ!」
「あちゃ〜……僕達全員泥棒さんじゃん(笑)」
「何笑ってんだよ!? 俺がそんなことする訳ないだろ!」
「そうです女王陛下。彼は世界を混沌から救う伝説の勇者です! その彼が盗みなどする訳ございま
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