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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
第6章:女の決意・男の勘違い
第6話:仲間を信じて
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んですか?」
「はい。私がその男を窃盗犯として逮捕しました!」
好意の欠片もない口調の兵士……
ウルフはどうするのだろうか?

「では……貴女が彼を泥棒だと判断した要因は何ですか? 嫌いなタイプの顔だったからですか? それとも今日は何か機嫌が悪かったからですか? ああ、もしかして月に一度のアレだったからかな?」
ニヤニヤ喋るウルフ……味方の為に頑張ってるので無ければ、しこたまムカツク口調だ!

「そんな理由ではない! 私がシスターの家の側を通ったら、家の中から『泥棒』と聞こえてきたから、慌てて室内へ入ったのだ! そうしたら一人暮らしのシスターの家にその男が居り、十字架が盗まれたと騒いでる家主(シスター)が居たのだ。だから私は窃盗犯として、その男を現行犯逮捕したのだ!」

「なるほど……では罪を認めます。彼は罪を犯しました」
「ほう、形勢が不利だと解ったか!」
ちょ、ちょっと……どうしたのよウルフ!?
盗んだことを認めちゃダメでしょう!

「勘違いしないでください。我々が認めた罪とは、シスターの家に不法侵入したことです! 窃盗罪ではない!」
「はぁ? 何を言ってる……不法侵入したのを認めると言う事は、十字架を盗んだことを認めるのと同じだろう!」

「あはははは、この国の女共は馬鹿ばかりだな! 彼が盗んだ証拠が何処にある?」
「何を言うか!? その男がシスターの家に居り、大切にしまっておいた十字架が無くなってれば、答えは一つだろう!」

「分かった分かった……俺が今、馬鹿でも解る様に説明してやるから。大人しく聞いてろよ……」
「ぐっ……腹の立つ男だな!」
「メリッサ、その者の言う事を聞いてみましょう」
今にも腰から剣を引き抜き襲いかかりそうだったのだが、女王がそれを止め話を聞く様促す。

「今から仮定の話をするから、皆も想像しながら聞く様に。では……ここが君(メリッサ)の自宅だと仮定しよう。そこに俺(ウルフ)が泥棒する為に侵入した。俺は目的の物……そうだな、その兜にしよう。貸して」
ウルフは大きなジェスチャーを織り交ぜ話し始め、メリッサから被ってた兜を借りる。

「見ての通り、俺は君の自宅で君の兜を盗んだ。そこへ君や他の兵士が、この場に現れたとする。さて、俺はどう見える?」
「どうもこうも盗人だ!」

「何で泥棒に見えるのかを聞いている! 感情で答えるんじゃない!」
「くっ……それは、兜! その兜は私の物だからだ! お前が手に持ってる兜は、私の物だ、それを持ってる時点でお前は泥棒だろう!」

「その通り! 俺は君の兜を持ってる。他人の家に侵入し、その家の物を持ってれば、それは即ち盗んだと言って差し支えない!」
「あぁなるほど……」
此処までの会話を聞いて、マリーが突然納得した。


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