第6章:女の決意・男の勘違い
第6話:仲間を信じて
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せん。サントハイムの王女である私が、彼の潔白をお約束します」
「ほぅ……お主はサントハイムの姫君か。そう言えば何時ぞやにも『サントハイムの姫君が誘拐』の事件が起きたのぅ……しかもそれは偽者だったと言う事だ。お主も名を騙ってる偽者では無いのか? サントハイムは魔族によって滅ぼされてとも聞いてるからのぅ」
「何だと!? 私は正真正銘のサントハイム王女だ! 閉鎖された国で何も知らずに生きてきた女王が、偉そうに疑ってんじゃないわよ! ブッ飛ばすぞこのアマ!」
「ほっほっほっ……随分と粗野な王女様だ事。とても王族とは思えぬ品の無さよのぅ!」
「しょうがないよ、アリーナは姫さんに見えないのが売りなお姫様だからね(笑)」
「笑い事じゃねーぞこの野郎!」
一向に事態が改善されないのに、リュカが楽しそうにしている為、アリーナも怒り心頭だ。
奴は何時になったら例の強引さを見せてくれるのだろうか?
「まぁまぁシン君もアリーナ姫も落ち着いて。リュカさん……俺達は非常に困った状態にあるのは解ってますよね。その上で事態を改善させようとしないのは、相手が女性でフェミニスト精神が妨害してるからですか?」
何だフェミニスト精神とは?
「ん〜……まぁ、そんなとこ。後でご馳走になる予定だから、今はあんまり波風立てたくないんだよね」
今更だが何て奴だ……
波風を立てたくないとか、そんな状況では無い事は解ってるだろうに!
「ではリュカさん……俺がこの場を引っかき回しても問題ないですね?」
「あはははは……お手並み拝見させてもらいましょう!」
どうやらリュカが動かないので、弟子のウルフが解決(我らに都合の良い様に)するらしい。
「何じゃ若いの……お主も何処ぞの王族で、その盗人は信頼に値すると言うつもりか?」
「残念ながらオバサン……俺は王族じゃないんですよ(笑) それに彼が勇者とか、そんなどうでも良いことを言って時間を無駄にするのも趣味じゃない!」
「ほう……では何だと言うのかな?」
「そもそも今回の窃盗事件は何故に発覚したのですか?」
ウルフは一人、我々の集団から抜け出て、女王の前に対峙する。
流石はリュカの弟子だけあって良い度胸をしている。
「先程説明があっただろう……そちらのシスターの家でブロンズの十字架を盗んでる現場に、彼女が居合わせた為、現行犯で逮捕したからだ」
「ほう現行犯逮捕……では実際に逮捕した方は何処に居ますか?」
「メリッサ……こちらへ来なさい」
わざとらしいウルフの問いかけに、ウンザリした口調で女王が一人の兵士に声をかける。
そしてメリッサと呼ばれた兵士は、女王とウルフの間に立ち、キツい瞳で我々を睨み続ける。
「貴女がシン君をシスターの家で逮捕した兵士さ
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