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ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
訪問と再会
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いのかな?」

ため息混じりの俺の言葉に菊岡は素直に従うと扉を開けて廊下に出ていった

「……壮健そうで何よりだ。燐」

「苦労も多いが、偽りの仮面を被る必要もなく、なかなかに充実した毎日だったからな」

「そうか……」

ソファーに深く腰掛け、長く息をはいた父親は前に見たよりずっと老けて見えた

「なぜ、家の戸籍から俺を消さなかったんだ?」

「私はお前に私の様な苦労を背負わせたくなかった。だから、レールをしき、間違いなく私の跡取りとして幸せな人生を歩ませてやりたかった。しかし、その束縛をお前には合わなかったようで結果的にすべてが裏目に出てしまった……。あの後、そのことに気づいてしまったのだよ」

結局、親としての愛情がすれ違いを起こしていたというだけの話だった
それに加え、親子として当たり前の喧嘩をしてこなかったのも原因の一つだろう
従うのが当たり前、そんな非常識が常識として定着していたため、その常識を破った俺に激怒した
理不尽と思うかもしれないが、大小は多々あれ、これは日常的どの家庭でも存在している

最初は自発的に好意で親のためにやっていたお手伝い。それが常識となり、感謝されることもなく自発的に好意でやっていたお手伝いを強要されるなんてことはないだろうか?
習慣だから。当たり前だから。義務だから

最初はそんなつもりはない。でもいつの間にか常識としてガチガチに固定化されてしまっているということ。心当たりはないですか?

今回もそういうこと。他人から見れば、子供が親の言うことに逆らうのは常識である、でも、鈴木家ではそれは非常識になってしまっていたのだ

「……それで、まだ戸籍上での繋がりを残した理由を聞いていないが?」

「決まっている。家にまたお前を戻そうとか思っているわけではない。私はお前と、燐と和解したかったのだ。なぜ戸籍を残していたのかというとだな……そのきっかけにしたかったのだ」

戸籍上の関係まで消すと、確かに赤の他人だしな。そうなると和解はおろか、会うことすら難しくなる
今回の俺の訪問も戸籍上の繋がりがあったが故のものだし

「……わかった。だが、一つ条件がある」

「なんだ?」

「詩乃に、朝田詩乃に謝れ。それが俺から出す条件だ」

「朝田詩乃……あの時、お前の病室にいた娘だな。わかった。予定を空けておこう」

話もついたので、扉の前にいる菊岡を呼んで建前の話を少しする
結局、投資は受けられなかったのだが

そして、帰り際に俺は父親に呼び止められた

「いつでも帰ってくるといい。ここはお前の家だからな」

そう言うとすぐに扉を閉めてしまった
その様子を見ていた使用人がクスクス笑いながら話し掛けてくる

「お久しぶりですね、御子息。い
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