第45話 人の指は足と手を合わせて20本!
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お登勢と真選組の提案により寺子屋へ通う事となったなのは、はやて、ヴィータの三人。
同年代の少年少女達と共に学びながら楽しい青春を過ごす楽しい日々が待っているかに見えていた。
だが……
「う……うぅぅぅぅぅ……」
その日、なのはは一人唸っていた。彼女の目の前には一枚の用紙と筆が置かれている。用紙には達筆で問題が書かれており、どうやらその問題を前にして悩んでいるようでもあった。
「なんやなのはちゃん、分からへんのかぁ?」
「うん、全然分からない」
はやてが気遣いを見せつつもなのはが悩んでいる問題を見る。どうやらそれは算数の問題らしく、それもその算数の内容と言うのがこんな形式の計算問題であった。
【120×20=】
と言う感じの問題、要するに三桁と二桁の掛け算だ。本来小学生中学年程度でならこれ位の問題は簡単に解ける類なのだろうが、生憎常識に関して相当疎いなのはには難問の様で、その証拠に頭を抱えて悩んでいる始末と言うのはお察しの通りだろう。
「う〜んとぉ……120だからぁ……右手の指が五本で、左手の指を合わせて十本……両足の指を合わせると……これで120本かなぁ?」
「そないに指があったら化け物やでなのはちゃん。因みに人の指ってのは手足合わせて二十本だけや」
一体どう言う計算をすれば手足を合わせて指の数が120本になるのか?
それはなのは自身にしか分からない永遠の謎だったりする。
「う〜〜〜ん、全然分からねぇ」
「って、ヴィータもかいな!」
ヴィータもまた、目の前の問題用紙を前にして相当悩んでいるようだ。しかも、ヴィータもまたなのはと同じ掛け算問題で詰んでいる様子だ。
つまり、二人の脳レベルはほぼ同レベルと言うのがお分かりいただけると思う。
「え〜っと、つまりぃ……私の手と足の指を合わせると全部で二十本だからぁ……うぅ、全然足りない」
「なのはちゃん、掛け算を指で計算するのは無理があるんやないんかぁ?」
足し算や引き算ならば出来る類だろうが生憎の事今なのはが悩んでいるのは掛け算だ。流石に掛け算を指で計算するのはかなり無理と言える。
「こ、こうなったら……はやてちゃん、ヴィータちゃん、指を貸して」
「えぇっ! ま、まぁ良いけど……」
「こんな感じか?」
はやてとヴィータもなのはと同じ様に両手と両足を前に突き出して指を大きく広げる。
その過程で広げた指を数えて計算しようとしているようなのだが……
「う〜ん、三人合わせてぇ……それでもまだ60本かぁ……まだ足りないなぁ〜」
三人の手足の指を合わせてもたったの60本にしかならない。問題の120本に至る為にはまだまだ足りない。
「ねぇ、大五郎君。大五郎君の指も貸して」
「良いよ〜」
足りないのならば足せば良い。そんな感じで今度は隣
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