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駄目親父としっかり娘の珍道中
第45話 人の指は足と手を合わせて20本!
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銀時丼」と呼んでいるそうだ。
 本人は大層美味そうに食べているのだが、はっきり言って彼の健康状態が凄く心配に思われる。
 下手すると糖尿病で早死にしそうで怖いのだ。
「お父さんも土方さんも健康面は気をつけて欲しいなぁ」
「全くや。こっちは毎日気が気でならんわ」
 そう言ってお互いに溜息をつく二人。どっちが保護者なのか分からなくなりそうでもあった。
 そんな感じの話をしながら、三人は廊下を歩き、そのまま入り口へと戻る。入り口近辺では、先の生徒達が迎えに来た親の手を取りそのまま帰路へと向い始めている。
 とても仲睦まじい光景に見えた。
「お待たせ、はやてちゃん。ヴィータ」
 そして、はやてとヴィータの迎えに訪れたシャマルが眩しい笑顔を浮かべながら歩いてやって来るのが見えた。そんなシャマルに近づいていくはやてとヴィータ。その光景は正しく母と娘と呼べるような光景でもあった。
 そして、その光景をなのははマジマジと見つめていた。
 何所か羨ましそうな風にも見える。
「大五郎、帰るわよぉ」
「あ、母ちゃん」
 時を同じくして、大五郎の元にも母が迎えに訪れてきた。その二人もまた、仲睦まじく手を繋ぎながら帰って行く。
 そして、その光景もまたなのはは何所か羨ましそうに見つめていた。
 そうしていると、何所からともなく原付バイクの走る音が響く。見ると、沈む夕日の方向から一台の銀色のバイクが走ってくるのが見える。
 それに跨っているのは勿論、ご存知銀時だった。
「おう、迎えに来たぞ」
「あ、うん……」
「……何かあったのか? 何時になく元気がねぇなぁ」
 銀時の目から見ても明らかに分かる位に今のなのはは元気がなく見えた。
 一体どうしたのだろうか?
 そんな銀時の問いに答えないまま、なのはは銀時の後ろに跨りヘルメットを被る。
 そんななのはに首を傾げつつも銀時は帰り道を急ぐ事にした。
 寺子屋から万事屋へと向かい静かにバイクは走っていく。
 時刻が既に夕刻なだけに人通りは余り多くない。そんな道をただひたすらにバイクは走っていく。
「ねぇ、お父さん」
 そんな時、ふとなのはが口を開き、銀時を呼んだ。
「何だ、いきなり」
「私ねぇ……が欲しいの」
「は? 何だって! 聞こえねぇよ」
 肝心な部分が小さかったので良く聞こえなかったのだろう。銀時には届いていなかった。
 その為、なのははもう一度それも少し大きな声で再び銀時に言った。
「私ねぇ、お母さんが欲しい!」
 突然、銀時の運転しているバイクが急停止した。地面ではタイヤの跡がくっきりと残っており、前輪が地面に沈み、車体が前のめりに傾く。
 その後で車体が元通りになった後、汗だくになった顔で銀時がなのはを見た。
「お、おおおお前! いきなり何言い出すんだよバカ
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