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駄目親父としっかり娘の珍道中
第45話 人の指は足と手を合わせて20本!
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に座っている大五郎にも同じ姿勢をやらせてみた。だが、それでも全然足りない。
 四人揃ってもその数はざっと80本しかならない。やっぱりまだ足りない。
「なぁなのはちゃん。此処は素直に先生に相談した方が早い気がするんやけど……」
「こうなったら、皆の指を貸して。そうすれば多分足りると思うから」
「ちょっとは話聞いてやなのはちゃん」
 はやての話を無視するかの様に、なのはは部屋内に居る全ての生徒達の手足の指を広げさせる。
 その光栄はとても不気味と見えた。
「どうだい皆、問題は解けたか……」
 時を同じくして、部屋に先生が入って来た。そして、その先生の目には部屋内に居る全生徒達が両手足を目一杯伸ばして指を思いっきり広げて指を数えていると言う奇怪な光景を目の当たりにしてしまった。
「な、何しているんだい君たちは?」
「あぁ、先生! 先生も指を貸して下さい。もう少しで答えが分かりそうなんです」
「な、なのはちゃん……君は何をしているんだい?」
「掛け算の問題が分からないんですけど、もうちょっとで分かりそうなんですよ。だから先生も指を貸して下さい」
「は、はぁ……」
 本来ならそんな阿呆な事をする気はないのだが、子供の純情な気持ちを踏み躙る訳にはいかないと、先生も他の生徒達と同じように両手足を伸ばして指を広げる。
 部屋内では、生徒達全員と教師が皆手足を目一杯伸ばして指を広げると言う奇々怪々で恐ろしい光景が展開されていた。常人がこの光景を目の当たりにすれば忽ち恐れおののいてしまうだろう。
「分かった! 答えは620だ!」
(なのはちゃん、それは私等全員の指の数や。そんでもって答えは全然違っとるでぇ)
 因みに、計算の答えは【2400】だったりする。




     ***




 寺子屋にて、なのはが掛け算相手に四苦八苦している丁度その頃、此処万事屋では大層珍しい客人が訪れていた。
 元々客の出入りの少ない万事屋にとって、客が来るのはとても喜ばしい事なのだが、生憎今回訪れた客人には誰も歓喜の声を挙げる事が出来なかった。
 何故なら、その客と言うのは彼等万事屋御一行にとって、余りにも御馴染みかつはた迷惑な相手だと分かっていたからだ。
 現在、万事屋内にある客間内には、長テーブルを真ん中にして、銀時、新八、神楽の三人が並び立ち、その三人を見つめるように訪れた客は座っていた。
「と、言う訳だ。理解して貰えたか?」
「理解して貰えたか? じゃねぇよ。いきなりやってきてそりゃねぇだろうが! ちったぁ空気を読めよヅラァ」
 銀時が嫌そうにその客の愛称を言い放つ。三人の前に居るのは黒い長髪に鋭い目線をしたイケメン男子が座っている。
 青い着物の上に白い羽織りを羽織り、如何にも日本男児と言いたそうな雰囲気を見せ付
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