1年目
春
春@〜夢と幽霊とオムライス〜
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るのだろうか。
そんなことが頭の中でグルグルと渦巻き、どうにか振り絞って出た言葉は、
「すみません……」
我ながら情けなく感じる……。
「大体ねぇ、夜中だけじゃなく朝っぱらからこんな大声出して、近所迷惑なのよ! ただでさえ壁薄くて隣のテレビの音すら聞こえる現状なのに…。ちょっと聞いてる!?」
「それ」は両手を腰に当て、少し前のめりになりながらそう言って俺のことを叱ってくる。
“幽霊に説教されてるなう”
ツイッターで呟いたらどれほどRT(リツイート)してもらえるのだろうか……。
そんなことを考えてしまうほど頭の中は混乱していた。
だが、このままだと先には進めないと、俺は一呼吸おき、勇気を振り絞り声を捻り出す―――
「は、はの…。あなた様はどちらさまでしょう…?」
が、緊張のあまり声が裏返ってしまった。
「ん?私?佐藤 さち、悪霊よ。」
そしてまた混乱が舞い戻ってくる。
悪霊って言ったよね?
そんな名乗り方するなんてお茶目な幽霊だ。
はっはっは。
……いや、冗談キツイよ。
「でも、佐藤、なんてありきたりな名字よねぇ。せめてアニメの登場人物みたいに、遊小鳥、とか、四月一日、とか、そんな変った名字がよかったわ…」
そんなアニメの影響なのか、「それ」は青白い頬に人差し指をあて、首を傾げるようにして不満そうに呟く。最近の幽霊ってアニメも見るんだな、と感心している場合でもなく、この状況の打開策を練ろうと必死になっていた時だった。
―――ぐぅー…
よく聞く虫の声が狭い部屋にこだまする。
断じて俺の腹の音ではない。
こんな状況で腹空かせる余裕なんてないし、そんなことしたら馬鹿みたいじゃないか。
そう思いながら、枕元に立つ「それ」の顔を見る。
「……」
そこには馬鹿がいた。
先ほどまでの威勢の良さはどこに行ったのか、「それ」は両手でお腹を押さえ、恥ずかしそうに俯いていた。
それを見て、パニックになっていた俺の頭がスーッと冴えていくのが感じられる。
「い、いいじゃない! この部屋全然契約されなかったし、人が来たと思ったらすぐ出て言っちゃうし……。最近全然食べてなかったのよ! 悪い!?」
開き直ったのか、今度はふんぞり返るようにして「それ」は俺を見下す体勢を取った。
めっそうもございません……。
そのフレーズが自然と心に浮かびあがってしまう。
それでも、お腹が空いてるならば俺に出来ることは一つしかないだろう。
「あ、あの…、まだ引っ越してきたばかりで材料も特にありませんので簡単なものしか作れませんが、何か作りましょうか……?」
今度はきちんと言葉を発することができた。
そし
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