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悪霊と付き合って3年が経ったので結婚を考えてます
序章
悪霊と付き合って3年が経ったので結婚を考えてます*序章
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ま、「顔だけ」だ。

残りの体はドアを突き抜け、さっきまでテレビを見ていた部屋に置き去りにされている。
俺はそれを見て少しギョッとしたが、いつものことだと割り切って「彼女」に話しかける。

「生首みたいで気持ち悪い。来るならきちんと全身で来なさい……」

 「彼女」は照れつつも、真っ赤なワンピースをはためかせ、ドアをすり抜け台所へと出てくる。
そして「彼女」が出てきたその途端、音を立てて震え始める食器たち。こんな日常にも慣れたものである。

「頼むからまたそれで食器割るのだけはやめてくれよ……?」

そんな俺の発言に「彼女」の青白くきめ細かい頬はさながらお餅のように膨れ上がった。

「しょーがないじゃない! これは生理現象なんだから!」

 そんな生理現象、何十年生きてたって起こるものじゃないよ……。
そう、つい口から零れそうになり、はぁ……、とため息をついて、その言葉は散り散りになる。

 そう、「生きていれば」そんな生理現状なんて起こるわけはない。



幽霊。しかも、「彼女」はその中でも性質(たち)の悪い悪霊ってやつらしい。



……しっかりと消せていなかったのだろうか。灰皿から立ち昇る白い煙は「彼女」よりもどこか幽霊らしさを持っていた。



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