第二十五章
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ったその姿はいささか中国の吸血鬼を思わせるものであった。
二時間経つと役は自身の左胸、心臓の前にそれを貼り休んだ。そして本郷が起きて警戒に当たる。そういうことを繰り返しているうちに夜になった。この時間彼等は来なかった。
「結局夜まで何もなしでしたね」
「そうだな」
「おかげでじっくり休めましたね」
すっかり暗くなった礼拝堂の中で背伸びしながら述べる本郷であった。窓から黄色がかった白い満月の光が朧に差し込んできていて礼拝堂の中を照らしていた。
「さて、それじゃあ」
「行くか」
「ええ、そうしましょう」
顔を見合わせてそれぞれ言い合う。
「いざ海へ」
「用意はできているな」
役は既に札をあるだけ持っていた。そしてその右手には既に拳銃もある。
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