決勝戦 五学年〜前編〜
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押しており、フォークが受け持った他の二つの艦隊とは、艦数差からか若干フォークが押している。
フレデリカとライナでは、ライナが圧勝だ。
決して弱くはないが、フレデリカは事務能率は秀でていても、艦隊での戦闘能力となるとライナには劣るようであった。むしろ相手を褒めるべきか、冷静な攻撃の前にほっておけば全滅しかねない。そんなフレデリカに対して、アレスは自らの艦隊から二千ほど援軍を向けているが、それでも相手の優勢となった戦場を互角にするだけだった。
そのためアレスに殺到する二艦隊に艦数で劣るアレスは、ともすれば焦りが見られる敵に対して、攻撃をさばく事に専念していた。
結果として被害艦数はほぼ互角であり、先ほどから一進一退の攻防が続いている。
傍目に見れば、主席と烈火の激しい攻防に見れるだろう。それでもヤンとの一戦を経験しているアレスにしてみれば、相手の攻勢は取るに足りないものだったが。
原作で、ヤンが不調に陥ったことが書かれていた。
決してミスをするわけではないが、うまく歯車がかみ合わない。
アレスの現状は、まさにそんな状況であり、そのことをアレスは理解してる。
それが冒頭の呟きであって、彼は眉をひそめる原因であった。
敵の攻撃は主席とだけあって、決して馬鹿にしたものではない。
自分やサミュールならばともかく、フレデリカには負担は大きいし、フォークを相手取る二人も、気を抜けばいつ一気に攻め込まれるかわからない。
動かなければならないが、アレスは眉をひそめている。
わからないのだ。
敵の思惑が。
相手が主席を集めたのは理解が出来る。
決戦を想定に選んだのもまだ理解が出来る。
だが、この戦闘は何だと思う。
万歳アタックと言わんばかりの、攻勢に対して、アレスは動けないでいた。
以前――マルコム・ワイドボーンがアレスを三次元チェスと戦闘は同じだと評価した。
敵の動きを見れば、敵が動ける範囲や出来る事をアレスは誰よりもわかっていた。
そこに弱点をつく事で敵のできない範囲を狭めていく。
アレスにとっては三次元チェスも戦場も同じであり、それはライナ・フェアラートに似ている。もっとも、機械的に行動するライナが理論的に判断しているとすれば、アレスはそれを直感で補っている。
だからこそ、このような戦いはアレスを悩ませる。
即ち。
――弱点ばかりだが、油断を狙っているのだろうかと。
様々な考えが頭を浮かぶが、その答えは全て今が攻めどきということだ。
アレスに勝つために主席を集め、戦場まで指定して、それだけということはあり得ない。
そう思えば、積極的に攻めることを無意識的にアレスは避けている。
敵の攻撃に対して、ほぼ機械的にさばく――むろん敵の攻
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