第二十二章
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第二十二章
「先に行きますか?このまま」
「行かなくては何もわからない」
役はこの言葉を彼への返事とした。
「そして確実に何かがあるのだからな」
「そうですね。それじゃあ」
「先に進ませる」
役は最初からそのつもりだったがあえて言ってみせた。
「先にな」
「ですね。そうするべきですね」
「他の式神達もここに集めるか」
「そうしますか?」
このことに関しては自分では判断を控えた本郷だった。式神を使う役本人にその判断を預けたのであった。
「ここは」
「そうした方がいいな。目は多い方がいい」
彼は言った。
「だからだ。そうしよう」
「そうですか。それじゃあ」
「今は一つだがこれが複数になればだ」
「さらに多くのものが見えるってことですね」
実際に画面はどれも動いていた。それぞれ海面や海中からその穴に向かっていた。青い世界がめまぐるしく動いているのであった。
「確かに今は暗がりばかりですけれどね」
「それでも先に進めば必ず何かがある」
「そういうわけですね。しかし」
役はここでまた言うのであった。
「この穴はまた随分と長いですね」
「そうだな。どれだけあるか」
「二〇〇メートルはあるんじゃないですか?」
首を傾げながら予測して述べた本郷であった。
「それ位はあるんじゃないですかね」
「それだけはあるか」
「今までで、ですよ」
こう言い加えもする。
「それだけはありますね」
「穴の中は曲がりくねっていて思うように先に進めないしな」
「そうみたいですね」
「こうした場所ではいつものことだ」
役はそう言ってそのことは受け入れたのであった。
「だが。それでもだ」
「俺は気が短いからいらいらしてきますね」
「安心しろ、私もこうしたことは好きではない」
役もその彼に告げた。
「何処まで続くかな」
「けれど大体道筋は覚えてきましたね」
本郷はそれについてはこう述べることがdけいたのだった。
「道筋は」
「もう覚えたのか」
「ええ。大体どうなっているかですけれど」
そうした限定ではあってもなのだった。
「頭に入れていますよ」
「頼むぞ。おそらく夜にこの道に入る」
「ですね。どちらにしろ」
「そのうえでこの先にあるものと何かがある」
「何かが、ですね」
「そうだ。何かがだ」
彼は言葉を続けていくのだった。
「ある。間違いなくな」
「何か感覚的にはそろそろ終わるって思うんですけれどね」
本郷は不意にこんなことを述べた。
「そろそろですけれどね」
「そろそろか」
「それで先に何があるのかはわかりませんけれどね」
それについては答えることができなかった。そこまでわかる程度彼も力を持っているというわけではないのである。
「けれどもう
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