第187話
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ね、まずは安全な場所に行ってから聞いても遅くはないでしょう?」
今は一時的に安全が確保されただけに過ぎない。
いずれ機動鎧や六枚羽が襲いかかってきてもおかしくはない。
聞きたい事がある二人だったが、場所の移動の方が優先と判断し後部座席に乗り込み、麻生は助手席に乗る。
全員が乗ったのを確認して、土御門は車を走らせる。
マンションの周囲は人の気配がなく静寂さに包まれていたが、移動するにつれて人の影が見えてきて二〇分も移動すれば車や人の往来が確認できた。
ひとまず脱出できたと後ろで愛穂達が安堵の息を吐いていると、麻生はいつの間にか右手に持っていた銃を土御門のこめかみに突きつけた。
「恭介、何を!?」
麻生の行為を見て愛穂は止めに入るが。
「黙っていろ、これはお前達の安全のためには必要な事だ。」
見た事のない鋭い眼つきと殺気を感じ、伸ばした手を止めてしまう。
制理は息を呑んで見守る事しかできず、桔梗は神妙な面持ちで麻生を見て、打ち止めも流石に空気を呼んだのか黙っている。
誰も邪魔をしない事を確認して、麻生は土御門に問い掛ける。
「土御門、お前は俺達の敵か味方か?」
「どうしてそんな事を聞く?」
銃口を突きつけられているのは分かっているのに、土御門は狼狽えず運転を続ける。
「機動鎧や六枚羽は警備員などの表の部隊が動かせる品物ではない。
消去法で考えるなら、暗部以外にいないだろうな。」
「暗部・・・・」
その言葉を聞いて、愛穂は土御門を見つめる。
なまじ生徒としての土御門を知っているからか、彼が暗部に所属しているのが信じられないようだ。
「お前が俺達の前に現れたタイミングはあまりにも良過ぎる。
暗部に所属しているんだ、疑うのは当然。」
「恭介の言っている事は間違ってない。
だが、オレは暗部の命令でお前達を助けるように命令された。」
「証拠は?」
「ないな。
こればっかりは信じてもらう以外、どうしようもない。」
しばらくの間、沈黙が車内を支配する。
緊張した空気が広がっていたが、麻生が銃を下ろすと少しだけ緩んだ。
「んじゃ、こっちから質問じゃん。
どうして土御門は暗部に所属しているの?」
「それには海より深い理由があってだな、簡単には説明できない。」
「暗部って、危ない所に関わって学校とか通っていいの?」
「心配しなくてもそこん所に被害が及ばないように配慮はしてある。」
矢次に言われる質問を土御門は適当にはぐらかしながら答えていく。
車が到着した場所は高級ホテルの一つ。
普通に生活していれば一生縁がないホテルに圧倒される愛穂と制理。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ