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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第170話】
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「ふふん。 ヒルト、あんた誕生日だって? アタシが祝ってあげるから感謝しなさいよ」


 部屋に入るなり、胸に手を当て、何故かドヤ顔で告げる鈴音に対して――。


「……てか俺、鈴音に誕生日って言ったっけ?」

「言ってないわよ? 学園に帰ってから美冬に聞いたもん」


 だよな、知らないうちに俺が言ったのかと思ったよ。

 そんな風に考えていると一度部屋を出る鈴音だが、直ぐ様中に入ってくる。

 両手には自身が作ったであろう中華料理を持ちながら――。


「感謝しなさいよ。 美冬と未来用に作ったんだけど、あんたも誕生日だって聞いたからね。 ついでに作ってあげたわよ。 ……か、勘違いしないでよ!? 元々は美冬と未来の為だけに作ったんだからねっ!? あんたの分なんてこれっぽっちも考えてなかったけど、少しは祝ってあげようっていう殊勝な気持ちで作ってあげたんだから!!」


「そうなのか? まあ何にしてもさ、作ってくれたのはありがたいな」

「な、なら作ってくれたことに感謝しながら食べなさいよ」


 そう言うと何故か腕組みし、顔をふぃっと横に逸らす鈴音。

 気恥ずかしさからか、頬が少し朱色に染まっているようにも見えるのだが――俺の視線に気付くと顔を見られないように後ろへとくるりと回る。

 その際、スカートがふわりと小さく舞うのにドキッとし、思わず目線を逸らすと――。


「うふふ、ヒルトさん? 『何故』顔が少し赤いのかしら?」

「う? 明かりのせいじゃないか、セシリア?」


 可能な限り平静を装い答えるのだが、セシリアの表情は笑顔だがどことなく怒りを感じた。


「明かりのせいですか。 うふふ……」

「う、うん。 ……そ、それよりもさ、食べていいか鈴音?」

「へ? ……い、良いわよ。 でもあんたのは炒飯と餃子だけだからねっ!! 後は美冬と未来の分よ!」


 何とかセシリアを回避(?)し、机にいつの間にか並べられていた中華料理から炒飯と餃子だけを取り、レンゲで炒飯を一口。


「……うん。 流石は中華飯店の看板娘を自称するだけの事はあるな」

「じ、自称じゃないわよ! ……でもまあ? あんたが美味いって言うなら作ってあげたかいもあるってものね」


 またくるりと回ると、自信たっぷりの表情で告げる鈴音。

 ころころと表情の変わる鈴音に、若干新鮮さを感じつつも一気に炒飯を平らげた。


「お兄ちゃん相変わらず食べるの早いよね。 ……しかも食べて太らないし」

「私なんか油断したら直ぐにぽっちゃりしちゃうのに……」


 美冬と未来、共に俺が太らないことを羨ましそうに言うのだが――。


 俺はそれよりも、何故両手に
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