暁 〜小説投稿サイト〜
深き者
第二十章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ていいますと」
「村の外にですか」
「はい。そうですね」
 ここで彼は笑いながら二人に話してきた。
「その村にしろここから車で三時間程度の場所でして」
「そんなにある場所なんですか」
「そこに行って来ます」
 言葉は穏やかなままであった。そのままの言葉で二人に話してきているのだった。
「ですから明日の朝まで戻りませんので」
「そうですか」
「ごゆっくり」
 また穏やかな言葉であった。
「林檎もありますので楽しみにしておいて下さい」
「わかりました。じゃあ」
「ゆっくりとさせてもらいます」
「お客様をお迎えしているのに申し訳ありません」
 牧師の今の言葉は心からそう述べているものであった。
「まことに申し訳ないのですが」
「いえいえ、いいですよ」
「牧師様にも牧師様の事情がありますで」
「そう言って頂けますか」
 牧師は二人の言葉を受けてその目を細めさせた。彼等の言葉は本心からのものである。しかしそう言う事情はわからなかった。わかっていたらきっと動転していたであろう。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ