第二十章
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ていいますと」
「村の外にですか」
「はい。そうですね」
ここで彼は笑いながら二人に話してきた。
「その村にしろここから車で三時間程度の場所でして」
「そんなにある場所なんですか」
「そこに行って来ます」
言葉は穏やかなままであった。そのままの言葉で二人に話してきているのだった。
「ですから明日の朝まで戻りませんので」
「そうですか」
「ごゆっくり」
また穏やかな言葉であった。
「林檎もありますので楽しみにしておいて下さい」
「わかりました。じゃあ」
「ゆっくりとさせてもらいます」
「お客様をお迎えしているのに申し訳ありません」
牧師の今の言葉は心からそう述べているものであった。
「まことに申し訳ないのですが」
「いえいえ、いいですよ」
「牧師様にも牧師様の事情がありますで」
「そう言って頂けますか」
牧師は二人の言葉を受けてその目を細めさせた。彼等の言葉は本心からのものである。しかしそう言う事情はわからなかった。わかっていたらきっと動転していたであろう。
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