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八条学園怪異譚
第四十四話 学園の魔女その十七
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だ。
「そのマニエルおじさんから考えてもです」
「白人は鬼のモデルですか」
「そう考えられているんですね」
「アイヌ系の人がそうだって説もあるわよ」
 茉莉也は古代のことも話した。
「ほら、蝦夷ね」
「教科書に出て来る人達ですよね」
「平安時代とかの」
「昔はアイヌ系の人達は東北の方にもいたらしくてね」
 こうした説がある、そしてそれはかなり有力だ。
「縄文系の人って言われてるわね」
「あっ、縄文系ならですよね」
「毛深いっていいますね」
「そう、弥生系の場合は毛が薄いのよ」
 この辺りは民族的な違いであろうか。今の日本人はこの縄文系と弥生系の混血であるとされている。それが大和民族だというのだ。
「毛深くて筋肉質だったそうね」
「ああ、鬼さんですね」
「本当にそれですね」
 二人は茉莉也の話にも気付いた。
「それで髪の毛もですか」
「縮れていたんですか」
「みたいね。あとまつろわぬ民とかが入って」
 古事記や日本書紀の話にもなる、流石は神社の娘だ。
「鬼になったらしいのよ」
「成程、鬼の歴史も複雑ですね」
「色々とあるんですね」
「まあわし等はそこまで考えておらんがな」
「自分達のルーツのことはわかっているつもりだが」
 赤鬼と青鬼はこう二人に言う。
「まあ鬼は鬼ということでな」
「そう割り切っておる」
「そうなのね、まあ鬼っていうと悪いイメージの方が強いけれど」
「あんた達みたいな鬼もいるのね」
「そういうことだ、ではな」
「飲もうぞ」
 こう話してそうしてであった。
 二人は今回も泉に辿り着くことは出来なかったが楽しい時を過ごせた。そしてまた新たな出会いを迎えることも出来たのだった。


第四十四話   完


                               2013・7・22
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