第十九章
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襲い掛かって食べる。そうした魚である。
「鮫だったらそれこそ平気で食べますね」
「使い捨ての式神だが鮫の餌にするつもりはない」
それは毛頭ないということであった。
「さて。かわしていくか」
「そうですね。わざわざ目を減らしていくことはありませんし」
「そういうことだ。しかし」
鮫をかわしながら式神を操っていく。その中で役はふと言うのだった。
「思ったより何の変哲もない海だな」
「ええ。魚は豊富にいますけれど」
見ればそうであった。割かし多くの種類の魚達が集まっている海であった。本郷も役もそこからあることを見たのであった。
「これはつまり」
「あの魚人達の食料だな」
「そうですね」
このことを察したのであった。本来海にいる者達の糧となるのは何なのか、考えてみればそれはひとつしかないことであった。そういうことである。
「だからこれだけの魚が一杯いるんですか」
「大抵は丸呑みしている」
役はあの家の中で見た光景をここで思い出した。そのうえで言うのであった。
「しかし。大きな魚になるとだ」
「その鮫みたいなのですか」
「鮫は食わないのか」
「どうでしょうかね。食われるのかも知れないですし」
鮫程大きな魚なら人間程度の大きさのものを食うのも訳はない、実際に人食い鮫という種類の鮫も結構多く存在しているのである。海を行くと必ず鮫に気をつけろと言われる国もある程だ。
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