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八条学園怪異譚
第四十四話 学園の魔女その十四

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「ですから幾ら飲んでも酔わない人なら」
「いいじゃないですか」
「全く、私ってよく誰かと比較されるわね」
「実際凄いことしてるじゃないですか」
「何かにつけて」
「そう?私そんなに凄い?」
 どちらかというといい意味で解釈しようとしていた、この辺りのタフさも茉莉也であろうか。いい意味でも悪い意味でも。
「超人みたいに?」
「超人っていうか滅茶苦茶ですから」
「無茶しますから」
「やれやれ、そう言うのね」
「酔うとすぐにセクハラしますし」
「胸も脚もお尻も触ってきて」 
 つまり女の子の大事な部分の全てを攻めてくるというのだ、これこそプロのセクハラだと言うべきであろうか。
「他にも色々と」
「変人といいますか」
「やれやれね、これでも男の子からも女の子からも人気あるのよ」
「まあいい人ですし外見も可愛いですから」
「嫌われはしませんよ」
 つまり茉莉也は素行が問題だというのだ、性格がいい人間が素行がいいとは限らないのもまた人間である。
「声も可愛いですし」
「歌なんかも歌えますよね」
「歌も得意よ」
 実際こちらも得意だというのだ。
「カラオケも好きだしね」
「ですよね、スペックは高いですね」
「性格も」
 二人も茉莉也のいいところはわかっていた、それも的確に。
「面倒見もいいですし」
「気さくで」
「けれど、なんですよね」
「先輩の場合は」
 そしてすぐにこうも言うのだった。
「お酒大好きでセクハラ好きで」
「結構デリカリーがなくて」
「そうしたところがなんですよね」
「困るんですよ」
「言ってくれるわね、言われ慣れてるけれど」
 ここでこう返すのも茉莉也である、至って平然としている。
 そしてその平然とした態度でだ、こうも言うのだった。
「まあね、お話はこれ位にして」
「うむ、神社の嬢ちゃんも飲むな」
「そうするな」
「お誘いに乗っていいわよね」
 茉莉也は赤鬼と青鬼に対して問い返した。
「そうして」
「うむ、いいぞ」
「というかわし等は千客万来じゃ」
 何時誰でも来ていいというのだ。
「大使館前で生の雉を食う変態さんは遠慮してもらうがな」
「そうした人でない限りいいぞ」
「というかそんな人本当にいたら怖いわよ」
「生の雉って何よ」
 愛実と聖花は鬼達の今の言葉に突っ込み返した。
「普通そんなの食べないでしょ」
「生きてるのを殺してそれから食べるなんて」
「それがいるのじゃよ」
「わし等もネットで観て驚いたわ」
 鬼達もネットをしていることがわかる言葉である、文明は彼等にも及んでいるということであろうか。
「何処の邪教かと思ったぞ」
「カルトかとな」
「それラグクラフト?」
 茉莉也もその話を聞いて真剣な顔で鬼達に問い返した。
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