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ヘタリア大帝国
TURN99 シベリア侵攻その七

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「堪えきれないところもあるでしょう」
「だからだよな」
「攻めてきました、ですから」
 それでだというのだ。
「ここは我々の攻撃を中断しましょう」
「一旦下がるか」
「そうしましょう、我々は本軍が来るまで敵の戦力を多少でも減らしそして敵軍の将兵の心理を焦らし決戦の時に周りを見せなくすることを考えていましたが」
 だから一撃離脱を繰り返していたのだ、だが。
「思わぬ展開になってきましたね」
「全くだな」
「ソビエトの弱点ですね」
 ふとこう言ったロンメルだった。
「これは」
「あの書記長さんがかよ」
「絶対の指導者は時としてこれ以上はない厄介な存在になります」
 そうだというのだ。
「そこが問題なのです」
「それってドクツもだよな」
「はい、そうです」
「ファンシズムの危険性か」
「総統閣下にはそれはないですが」
 こうしたことも踏まえているのがレーティアなのだ。しかしカテーリンはなのだ。
「ですがあの娘は違います」
「まだ子供なんだな」
「そうです」
「よくわかったぜ、それじゃあな」
「はい、一旦下がりましょう」
 こうしてロンメルが率いる先陣と田中が率いる潜水艦艦隊は一旦下がった、そのうえで東郷が率いる主力艦隊と合流した。
 東郷は前から来るソビエト軍の大艦隊を見て言った。
「実は今回は敵の守りを強引にこじ開けるつもりだった」
「そうだったのですか」
「多少以上の損害は覚悟していた」
 そうだったとだ、秋山に話す。
「実はな、しかしだ」
「まさか自分達から来るとはな」
 東郷にしても予想外のことだった。
「ここは作戦を変えよう」
「どうされますか?」
「今はそのまま下がる」
 こう言ってそうしてだった、そのうえで。
 東郷はソビエト軍の動きを見た、見ると。
「見事に全軍で来るな」
「攻撃射程に入れば総攻撃ですね」
 秋山もこう見ている。
「それですね」
「パイプオルガンだな」
「それが来る、ではだ」
「散陣ですね」
「正面の軍はそれで凌ぐ」
 ソビエト軍のパイプオルガンをだというのだ。。
「しかしだ」
「それだけではありませんね」
「ジューコフ元帥達はともかく敵の殆どは正面しか見ていない」 
 カテーリンから総攻撃を厳命されている、だからなのだ。
「これなら仕掛けられる」
「では」
「ロンメル元帥は右だ」
 枢軸軍から見て右だ。
「そして田中大将は左だ」
「わかりました、それでは」
「そっちに行くな」
「頃合を見て攻撃を仕掛けてくれ」
 この辺りは二人に任せるというのだ。
「頼むな」
「じゃあ俺達のタイミングでやるぜ」
 田中が東郷に応える。
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