TURN99 シベリア侵攻その五
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「それでも敬語かよ」
「田中副司令は潜水艦艦隊の司令長官ですね」
「ああ、そうだぜ」
枢軸軍全体のそれである。
「それはな」
「ひいては枢軸軍の副司令です」
「だからかよ」
「はい、しかも元帥待遇ですから」
実はそうなのだ、ただ日本軍は伝統的に陸海軍で減衰はそれこそ長官クラスでないと任じないので田中はまだ階級では大将なのだ。
「だからです」
「それでかよ」
「そうです、階級的には実質私と同じで」
そしてだというのだ。
「役職は私より上なので」
「わかったぜ、だからか」
「そうなのです」
「何かそう言われると俺も偉くなったな」
とはいっても態度は変えない、それが田中だ。
「また随分とな」
「かといっても田中さんは偉そうにはされませんね」
日本妹がその田中に問うてきた、無論モニターからだ。
「そうですね」
「俺は俺だからな」
「だからですね」
「俺はヘッドを目指してるさ」
具体的には連合艦隊司令長官だ、東郷に対して常にその座を奪ってやると豪語してい通りであるのだ。
「けれどそれでもな」
「傲慢にはならないんですね」
「傲慢な奴はそこまでなんだよ」
こう言うのだった。
「偉そうにするのは器の小さな奴なんだよ」
「そういうことですね」
「そうだよ、俺は飾ったことも苦手だけれどな」
それと共に、というのだ。
「威張ることも嫌いなんだよ、じゃあな」
「はい、それではですね」
「やるぜ、今もこれからもな」
いつもの威勢で前を見て言い切る。
「ソビエトの奴等ぶっ潰すぜ」
「それではお願いします」
ロンメルは再び田中に要請した。
「正面から」
「ああ、わかったぜ」
「下手に側面や後方に回っても意味がありません」
「逆に兵を割かれて対応されるよな」
「既に機雷を撒布していることも考えられます」
ここは敵地だ、地の利があるからそうした対応をしていることも考えられるからだ。
今は下手に迂回なぞせずに、というのだ。
「敵陣を陽動で崩そうにも乗る相手ではないですから」
「ジューコフのおっさんは確かだからな」
「今はこうして攻めて」
「あのおっさんが率いる主力が来てからか」
「総攻撃に加わりましょう」
「ああ、わかったぜ」
こう話してそうしてだった。
田中と彼が率いる潜水艦艦隊もまた今は正面から一撃離脱で攻めた、それを繰り返してだった。
彼等はソビエト軍にダメージを与えていく、損害はソビエト軍から見れば軽いものだがそれが続くとだった。
将兵達も苛立って来た、特に戦闘を監督するゲーペの系列の政治将校達がだ。
不安を堪えきれなくなった、それでジューコフに言うのだった。
「あの、もうそろそろです」
「攻撃に移られませんか?」
「数はこちらが
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