上には上がいる
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んて、この戦いの場を作ってくれた人に感謝しなくてはいけないわね。それと・・・」
そこで一旦区切ると、氷の女王の名に恥じぬほどの冷たい瞳でアリアを見つめた。
「私の首をアンタの様な愚か者にくれてやる訳ないでしょう」
ナツは察した。
ティアはキレている、と。
感情表現を苦手とするティアは、大きく表情を変える事が滅多にない。
が、ギルドに入って7年、幼馴染に近い存在と化しているこの無表情少女の本当に小さい表情の変わり方で、ナツはティアがどのような感情でいるかを察知出来るようになっていた。
今は右の眉がピクリと上がり、目に怒り以外の感情を存在させていない・・・。
つまり、相当怒っている、という訳だ。
「私達の親に手を出したのは、この男ね」
「ティア・・・」
顔には出していないが、その拳は痛いほど握りしめられている。
「ふふふ・・・さすがにティアが相手となると・・・」
そう言いながら、アリアは自分の目を隠している目隠しに手を伸ばす。
「この私も本気を出さねばなりませんな」
そして、外した。
「目!?」
「そう・・・アリアは普段目を閉じている。目を閉じる事で強大過ぎる自分の魔力を抑えてるらしいの」
一方、グレイ達はファントムギルドの中を走っていた。
「何じゃそりゃ!?」
「目を隠した状態で生活できるのかな・・・」
「難しそうだよな」
「とにかく、アリアを見つけたら目を開かせる前に倒すのよっ!」
ルーは試しに目を隠して走り、転んだ。
「目を開かせたら勝機を失うかもしれない」
一方、外では・・・。
「魔法陣が光り出した!?」
「まさか、完成したのか!?」
煉獄砕破の魔法陣が、突如光りはじめていた。
「ここまでなのか・・・」
「姉さんっ!」
カナが悔しげに呟き、クロスは姉を最後まで信じようと叫んだ。
「来い、ティア」
カッとアリアの目が見開かれる。
それと同時に魔法が発動された。
「死の空域、『零』発動。この空域は全ての命を喰い尽くす」
「おあああああっ!」
アリアの空域に巻き込まれ、ビリビリと感じる魔力に叫ぶナツ。
その魔力をナツ同様、肌で感じながら、ティアは口を開く。
「命を奪う魔法ですって・・・?」
確かめるように呟き、ふっと口元を緩めた。
「・・・私の敵じゃないわ」
彼女は勝利を確信している。
死の空域・・・つまり、下手をしたら死ぬ。
それすらも恐れない。否、彼女は『自分が死なないと解っている』。
何故ならば・・・勝つから。
「さぁ、楽しもう」
アリアが
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