上には上がいる
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避けた。
「!ど・・・どこだ!?」
きょろきょろとアリアを探すナツ。
と、そこに姿は見えないがアリアの声が響いてきた。
「終わりだ、火竜・・・あなたにマカロフと同じ苦しみを与えてやろう」
その瞬間、アリアはナツの背後に姿を現した。
手から光が溢れ、その溢れ放たれた光はナツを包んだ。
「空域、『滅』!その魔力は空になる!」
その瞬間、ナツはゾッと背筋を凍らせた。
「やば・・・」
「ナツーーーーーーーーーーーー!」
「う・・・あ・・・が・・・」
光に包まれると同時に、ナツは自分の体から魔力が抜けていくのを感じる。
バキバキバキ・・・と魔力は空中に流れていく。
ハッピーが悲痛な叫びを響かせた。
もうダメだ、とハッピーが思い、アリアが勝利を確信した、その時だった!
「全く・・・何やってるのよ、バカナツゥゥゥゥゥゥッ!」
「!」
呆れた様なソプラノボイスと共に、アリアの顔面に飛び蹴りが決まる。
その蹴りによってアリアはよろめき魔法を中断させ、魔法から解放されたナツもよろめく。
すると声の主はよろめくナツの腕を鞭で絡めて引き、アリアと距離を離す。
「え!?」
何とか立ったナツは、アリアに飛び蹴りを決め舞い降りてきた人間の姿を見て、思わず驚愕の声を上げた。
そこにいるのは本来、ここにいないはずの人間。
巨人の外でギルドを守っているはずの少女。
もうお気づきかと思うが、その人物とは・・・
「ティア!」
ジュピターを消そうとし失敗、エルザと共にジュピターを喰らって大怪我を負ったはずの・・・ティアであった。
当然怪我を負ってはいるが、ジュピターを消すのに使った魔力は既に回復しているようだ。
「ほう・・・」
アリアは体勢を整えながら声を漏らす。
「オ、オイ・・・動いて大丈夫なのかよ・・・そのケガ・・・」
「アンタに心配されるほど、私は弱くないわ」
「んなっ!」
こんな状態でも捻くれているのか、と言いたげなナツを見る。
「それに・・・」
「?」
「アンタの方が怪我してるじゃない。大丈夫なの?」
こてっと首を傾げ、珍しく誰かを心配するような発言をし、アリアに目を向ける。
アーモンドに近い形の青い目が、怒りの輝きのみを残していた。
「この愚者がマスターを・・・」
「っ!」
変わらないソプラノボイスから一切の感情を消し、呟く。
その声を聞いたナツはゾッと背筋を凍らせた。
「悲しいな・・・火竜だけでなく、海の閃光の首まで私にくれるとは・・・」
「何を言っているの?私からしたら、エレメント4最強の男の首をくれるな
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