第十四章
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式神を通じて見ているものをそのまま本郷に語るのだった。それはまさに異形の光景であった。
「鱗も何も取らず生きたままだ」
「生きたままですか」
「あの大きな口に一匹丸ごと入れてそのうえで噛み砕いている」
語るその光景は実にわかり易いものであった。少なくとも本郷は話を聞いていてすぐに察したのであった。
「人間のできることではない」
「ええ。わかりますよ」
本郷もまた話を聞いているだけでわかった。それが到底人間のできるようなことではないことを。しかも役はさらに言葉を出していくのであった。
「骨も何もかも噛み砕きだ」
「その歯で、ですね」
「そして舌も異様に大きいな」
口の中のその舌も見えているというのである。
「不気味なまでにな」
「やっぱりあの連中ですかね」
「そう思っていい」
役の今度の言葉は断言であった。
「間違いなくな」
「じゃあある程度やり方もわかってきましたね」
本郷はここまで話を聞いて至極冷静に述べたのだった。
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