喪失編
七話
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機が迫ったなら【世界】の能力を使えばいい」
今、能力の限界は7秒まで上がっている。5秒、の筈だったが、どうやらロビンの血を吸ったからか、2秒伸びていた。
どうやら、悪魔の実の能力者の血を吸うと僅かだが、世界が成長するようだ。だが、あくまでも効果は一度のみらしい。現にそれから何度かロビンの血を吸ったが、能力に変化は起こらなかった。
「悪魔の実.....悪と付くだけあって、DIOと相性がいいのかもしれない.....科学的原理は分からないが、悪魔の実の能力者の血を吸う度に世界が成長する、これは恐らく当たっているだろう」
力を手に入れる方法はこの世界に多く、存在している。
ジョジョの世界では、波紋。この世界では、覇気と呼ばれるモノに六式があるようだ。
だが、やり方も、鍛練方法もまだ分からない。
「気長に考えればいい。不老の俺に時間は無いと同義なのだから」
運良く覇気か六式を使える人間に会えれば、眷属にすればいい。無理なら色々な手を使って、教えてもらうだけだ。
ローグタウン。
ロビンの話では、ここは海賊時代が幕を開けた場所であり、海賊王が処刑された場所でもあるらしい。
今、その処刑台前に俺は居た。
「当時はこの広場に大勢の人間が押し掛け、海賊王の死を見た。そして、一つの歴史が始まった」
海賊の王が処刑され、そして大海賊時代が始まる.....皮肉だ。いや、本望、と言うべきか?
自分の死と引き換えに時代を作った。
何人もの人間や魚人、様々な種族がワンピースと呼ばれる夢のような代物に思いを馳せ、生きる。
ある者は途中で挫折し、ある者は途中で死する。
それでも、あるかすら分からない夢を手に入れようと海へと出る。
「端から見れば滑稽にしか思えない」
死間際の戯れ言を信じ、ただ進み、戦う。
それで幾人の生物が死んだ。
それでも、未だに海賊は多く存在している。
どれくらいそうしていたのだろうか。
気づけば辺りが赤く照らされており、空には赤い太陽が上がっていた。
夕陽に照らされ、建物や人の影が大きく広がっている。
「あの.....」
背後から声をかけられ、ふと我に帰った。
振り向くと眼鏡を掛けたショートカットの女が居た。腰には刀を下げていて、申し訳なさそうな表情で俺を見ていた。
「何だ?」
「いえ。なんと言いますか貴方が数十分も処刑台の前で立っていたので、それで.....」
なるほど。不審者と思われているようだ。
「ただ時間を潰していただけだ。何もしていない」
「い、いえ!何も疑って、とかではなくっ」
露骨に慌て出す女。
面倒だ、もう船に戻るとしよう。
「別に気にしてない。それにもう行く」
「えっ!ちょっ、
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