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紅眼の銀狼が幻想入り(アカメノギンロウガゲンソウイリ)
第十章 悪魔の妹

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銀牙は紅魔館へたどり着いた。

一言で表すなら、不気味な館だった。

紅く窓が少ないその館は「入るな。」と言っているように見える。

ただ一つ、頂上にある時計塔が違った雰囲気を醸し出していた。

「しかし、奇妙な館だな。まるで吸血鬼でも出てくるような…。」

銀牙は門の前に立っている緑色の服を着た少女を見つけた。

「すいません。バイトに来たんですけど…。」

「ZZZ…。ぐーぐー…。」

「寝てるな…。どうしよう…。」

すると館の中からメイド服を着た少女が出てきた。

「あ…。」

メイド服を着た少女は、緑色の服を着た少女に近づくといきなりボディブローをかました。

ドガ!!

「ぐふっ!!さ…咲夜さん…。おはようございます。」

「おはよう美鈴。ところで門番をサボった罰を受ける覚悟は出来てるのかしら?」

「ひええ…。命だけはお許しを…。」

咲夜と呼ばれた少女はハア、とため息をつくと銀牙に話しかけた。

「ごめんなさいね。この子、いつも門番サボって寝てるのよ。」

「いえ、気にしてないです。」

「はじめまして。私は咲夜。この子は美鈴。あなたが今日、入ってくるバイトの子ね?」

「はい!紅狼銀牙です!!よろしくお願いします!!」

「はいよろしく。では中へどうぞ。お嬢様がお待ちですわ。」

銀牙と咲夜は館の中に入った。

いくつかの部屋を進み、銀牙は大広間へと案内された。

「レミリアお嬢様。新入りのバイトを連れてまいりました。」

「ご苦労、咲夜。下がっていいわ。」

「は。」

レミリアと呼ばれた少女はピンク色の服に身を包み、背中から黒い羽を生やしていた。

「あなたが銀牙ね。話は霊夢から聞いているわ。私はレミリア・スカーレット。さっそくだけどあなたに仕事を頼みたいの。」

「はい、なんでしょう。」

「仕事というのは、私の妹の事なんだけど、最近、家出をしてしまったのよ。色々と心配な事もあるから、連れ戻して欲しいのだけど。」

「わかりました。」

「じゃあ特徴を伝えておくわね。髪は黄色で七色の羽を生やしているわ。服は大体赤色ね。」

「髪は黄色で、七色の羽に赤色の服…。はい。」

「頼んだわよ。咲夜、案内して。」

「はい、お嬢様。銀牙、こっちよ。」

「は、はい!」

二人が出て行った後、レミリアはつぶやいた。

「無事に帰って来れるとよいのだけれど…。」

紅魔館を出た銀牙は、向こうの人里の方で爆音が起こるのを聞いた。

人々の悲鳴のようなものも聞こえる。

「急いだ方が良さそうだな。」
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