反董卓の章
第4話 「俺の意見は――――」
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……どうして陽平関に砦を建てることが、愛紗ちゃんのためになるんだろう?
「ともかくだ! 陽平関については、俺が全責任を受け持つ! 悪いが、桃香もそれでいいか?」
「え、私? それはもちろん、ご主人様のことだからどうしても必要なんだろうし…………」
「すまん、感謝する。この件については、あとで朱里、雛里にも助力を頼む。馬正は現地の測量を――」
その時。
「すいませぬ。遅れました……が、火急の知らせもあります」
王座の間に入ってきたのは、星ちゃんだった。
「星。お主は確か、警邏隊の巡察のはずでは……?」
「ああ。だが、道中で急使の使者に会い、急いで戻ってきた。劉表殿からの密書だそうだ」
「密書!?」
星ちゃんが王座の真ん中で一礼し、私に書簡を差し出してくる。
私がその書簡を受け取って、中身の書状を開いた。
「…………………………ええ!?」
「どうしたんだ、桃香?」
書状の内容に驚いて、私が顔を上げる。
周囲のみんなが、私へと視線を集中させていた。
「ご主人様…………どうしよう!? 大変なことになっちゃった!」
「……?」
「董卓さんが…………」
「!?」
ご主人様が血相を変えて、私のそばに来る。
そのご主人様に、私は書状を差し出した。
その書状を斜め読みしたご主人様。
最後まで読んで…………天を仰ぐように顔を上げる。
「…………くそ。はやい、早すぎる……」
「ど、どうしよう、ご主人様!?」
私は、ご主人様の腕にすがりつく。
こんな、こんなこと…………
「お兄ちゃん! 一体どうしたというのだ! お姉ちゃんも!」
鈴々ちゃんが、じれったそうに声を上げた。
その言葉で、私は…………皆を見る。
たぶん、泣きそうな顔で……
「董卓さんが……董卓さんが、小帝陛下を殺したって!」
「「「「「 !? 」」」」」
私の言葉に、その場にいた全員が硬直した。
―― 盾二 side ――
なんてこった……もう反董卓連合の時期だってのか?
まだしばらく余裕があるものだと思っていた。
史実では黄巾の乱収束後、五年の歳月がかかっていたはずだ。
それがたった二年……いや、一年半でもう連合結成だって!?
早すぎる…………こっちの予定では、最低でもあと一年以上はあると思っていた。
于吉や左慈……彼らの歴史の修正速度を、楽観視しすぎたということなのか!?
「ご主人様! 董卓さんが…………」
あ…………桃香。
桃香が、俺の腕を揺する刺激で思考の渦から抜け出す。
周囲を見れば、皆が俺の顔を見ていた。
「………………ああ。劉
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