反董卓の章
第4話 「俺の意見は――――」
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! そんなに私が嫌いですか、左慈!」
「嫌いではないぞ。時折、消えて欲しくはなるが……」
「………………泣いていいですか?」
「煩いからダメだ」
ツンデレでなく、ツンツンですね、左慈は……
「それより、予想通り馬超が董卓側につこうとしていたぞ。馬騰や周囲に止めさせたが…………果たして本人は連合に来るかな?」
「来ないかもしれませんね。その場合、馬騰が病を押しての参加になるのでしょうか?」
「いや、従姉妹の馬岱が率いるようになりそうだ。だが、あの馬岱では馬超ほどの人数での参加は望めないな」
「となると……戦闘では役に立てないでしょうね」
「ああ。その分物資支援ということになる。涼州はそれほど肥えた土地でもないのに、大変なことだ……」
ふむ……
馬超が参加しませんか……少し修正が必要でしょうか?
「数ある平行世界で、こと反董卓連合での馬超の役割はさほどの重要性はない。せいぜい陽動や街道封鎖程度が関の山だったのだろう。問題はない」
「…………そうですね。今回は劉備陣営が強化されていますし、その分を合わせれば差し引きで相殺できるでしょう」
正直、たった一年程度で軍勢を四万近くにまで揃えたのは予想外だった。
反董卓連合に参加する数は、その半数を見込んだとしても優に二万を越える数となる。
数ある並行世界の中でも、今回の劉備陣営は突出した戦力を保持している。
これがあの北郷盾二の力だとすれば…………
「やれやれ。あの賢者の石を十個渡したのは、失敗でしたかねぇ……」
「そうでもあるまい。あの資金で軍勢が膨らんだのは確かだが、それがなくても見込みで二万近くの戦力を有した試算があった。どの道、今回の劉備陣営の戦力は高かっただろう」
「…………そうですね。その上、本来なら反董卓連合時に結ぶであろう孫策との同盟は、すでに結んだも同じ状態。さらにあの、北郷盾二自身の能力もあれば……」
「まず間違いなく……反董卓連合での主力は劉備軍だろうよ。元々、武将としては一騎当千の豪傑揃いだったのだ。そこに指揮する兵が与えられたのだからな」
劉備陣営最大の泣き所であった、兵の少なさ。
それを武将の優良さで補っていて、あの強さだったのだ。
そこに質だけでなく数が加わるのだとしたら……
「兵においても無理して揃えた弱兵ではなく、十分に鍛えあげられた精強揃い。今回は魏が膨れ上がっても、単独で決戦できるほどになりそうだな」
「……その懸念はありますが、それを彼は望まないでしょうね」
「お前は随分とあの男……北郷盾二を信じているのだな。しかし……少し信じすぎていないか?」
左慈の懸念はわかる。
私自身、彼のことを無条件で信じたい気持ちがあることを……否定出来ない。
「……………
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