反董卓の章
第4話 「俺の意見は――――」
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姿勢は中立である以上、董卓側につくことは三州同盟にとっては大ダメージになるだろう。
「…………馬正は?」
「…………は。個人的には董卓殿への恩義がありますが……梁州のことを考えれば、ここは参加せざるを得ますまい」
「にゃー…………おっちゃんもとーたくのお姉ちゃんと戦うのに賛成なのかー」
「………………断腸の思い、ではある」
鈴々の言葉に、馬正が苦い顔で頷いた。
「鈴々は……?」
「う〜〜〜〜〜〜ん……う〜〜〜〜〜〜〜〜ん…………」
俺の言葉に、鈴々は腕を組んで体を揺らしながら悩む。
しばらく悩んだ後――
「……だめなのだ! 鈴々にはとーたくのお姉ちゃんを裏切りたくはないのだ! 街のみんなが困るのは嫌だけど…………お姉ちゃんを裏切るのも嫌なのだ!」
「…………つまり、鈴々は董仲穎殿の味方をするべきだ、ということだね?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ、そうなのだっ!」
さんざん考えぬいて、それでも自分の意見を言う。
たとえそれが間違っているとしても……
その心情がありありと分かる顔で、俺を見る鈴々。
その瞳は…………どこまでも真直だった。
「そうか…………あとは愛紗と星の意見だな。二人の意見は後で聞くとして……」
「ご主人様は……?」
「ん?」
桃香の声に、振り返る。
桃香は俺を見つめていた。
「ご主人様の意見は、どっち……?」
「………………最終決断は、愛紗と星の意見を聞いてからにしてくれよ?」
俺は、息をつく様に嘆息してから……桃香を見た。
「俺の意見は――――」
その時――
ふいに、桃香の顔に浮かんだその表情を見て。
俺は……激しい罪悪感に襲われながら、答えることになったのだった。
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