反董卓の章
第4話 「俺の意見は――――」
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いた。
……先日来の白蓮の援助の件でも、理解はしても納得はしていなかったのだろう。
ここにきて、再度の悔しさに声を荒げる気持ちはわかる。
だが………………
「………………星の言うとおりだな。愛紗、これ以上叫ぶなら退室を命じる」
「ご、ご主人様!?」
俺の言葉に、桃香が顔を上げる。
だが、俺が桃香を見ると……
「…………っ」
桃香は、目を見開きながら顔を伏せた。
何故桃香が目を伏せたのか…………俺にはわからない。
「星。すまないが……」
「…………わかりました。いくぞ、愛紗」
「……………………」
星が愛紗の拘束を解いて、肩を組むようにして力の抜けた愛紗を支える。
その星に引きずられるように目を閉じ、唇を噛み切れんばかりに強く噛んだ愛紗が…………何も言わず、王座の間から退出していった。
その場に、一滴の涙と……血の痕を残して。
「ふう…………」
「盾二様……」
思わず出てしまった溜め息。
それを心配そうに見上げてくる朱里の視線が……今だけは、少し煩わしかった。
「……話を戻すぞ。袁紹は漢王朝の重臣だった宦官の正式な告発文を持ち、それを皇室であり、宗正である劉虞が『真実だ』と認めた。このことで……董仲穎殿は漢王朝の逆臣であることが決定的になった。ゆえに……これに反対する者も逆賊となる可能性が高い」
「えっ!?」
「………………」
俺の言葉に桃香は驚き、朱里と雛里は目を閉じて俯く。
「にゃあ…………つまり、とーたくのお姉ちゃんは絶対に助けられないってことなのか?」
「………………ああ」
鈴々の言葉に、頷くことしかできない。
「董仲穎殿の面識は……ないんだよな?」
「…………うん。基本的に書簡と献上品のやりとりだけ。今度、洛陽に参内した時に面会することになっていたけど……」
「……女性であることだけは、霞さんから聞いていましたので」
桃香の言葉に、朱里が補足を入れる。
……そういや、義勇軍の時に霞が『月』って真名らしきものを呼んでいたな。
やはり女性だったのか……
「さて……困ったことに話はまだある」
「……これ以上何が?」
桃香が、疲れたように顔を上げる。
気持ちはわかるが…………な。
「劉表はこの呼び掛けに……応じるそうだ。漢王朝への忠義を示すためにも応じる、そう書かれてある」
「………………」
「劉表は……以前から何進将軍の右腕と呼ばれていたぐらいだ。宦官に殺された何進将軍の無念を晴らした董仲穎殿に、敵対はしたくないということだが……状況がそれを許さないらしい」
本来の歴史なら、宦官大虐殺は袁紹や袁術が行った筈だが……
于吉の言葉が正しいのならば
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