反董卓の章
第4話 「俺の意見は――――」
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―― 盾二 side 漢中 ――
「ふう…………今日はこんなもんにしておくか。馬正、これで最後だ」
「はい。ちょうど鉄も無くなりましたな…………また、仕入れさせておきます」
「頼む。とはいえ、賢者の石も残りあと一つか…………」
俺は、手の中にある拳大の塊を見ながら、そう呟く。
仙人界から持ち帰った賢者の石も、残り一つ。
あと、せいぜい数百トン程度の純金しか作り出せない。
「これまで創りだした純金の量だけでも、億の単位の資金になっております。十分ではないでしょうか?」
「まあな…………とはいえ今回作った金も、漢中の拡張に使ったら殆ど残らないからな。あとはじゃがいもの特産と、米の料理での名産品で資金を生み出さなきゃならない」
「それと、例の益州と荊州との三州交易ですな。梁州内の安全は、警邏隊の巡視を強化することで対応しますが…………問題は益州と荊州内での街道警備が、どの程度安全かということですが」
馬正の心配もわかる。
益州への交易はまだいい。
基本、交易先は桔梗がいる巴郡であり、道中には紫苑がいる南充がある。
二人共、信頼出来る武人だ。
交易が始まれば必ず商人たちの安全を考えて、街道の警備を強化するはず。
問題があるとすれば、荊州の方だ。
劉表自身は、街道警備を厳しくするとは言っていたが…………紫苑が抜けた今の劉表陣営で、しっかりとした街道警備ができるのだろうか?
そもそも白帝城での騒動は、劉表の部下への求心力が低下していることが原因だった。
あの騒動の結果、俺の提案した『劉表が仕掛けた策略により解決』ということで広まっているはずだから、多少は睨みが効くようにはなっているとは思うが……
「まあ、州内での賊による交易被害はその州が責任を負う、とはしているから大丈夫…………ってわけにもいかんよなぁ」
「本来ならばそこまで責任を負う事はないとは思いますが……玄徳殿が許しますまい」
まあ、桃香なら街まで護衛しなきゃ、とか言い出しそうではあるが……
さすがに軍が州境を越えるのは、侵略行為になってしまう。
それに、毎回軍が商人にくっついて行く事自体が無理だ。
「う〜む…………ちょっと早いけど、傭兵ギルドでも作るかなぁ」
「ぎるど、でありますか?」
「ああ……まあ、いずれは作ろうと思っていたんだよ。何でも屋の民間斡旋所。荒事専門の奴らの仕事でってね」
「民に商人の護衛をさせる、と?」
まあ、この辺は元の世界のゲーム知識がネタなんだが。
いわゆる『冒険者』ってやつだ。
ただ、この案も細部を詰めないと、色々厄介な問題が起こりそうなんだよな。
要は、自国内に管理できない武力勢力を抱え込むようなものだ
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