第十章
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といえば森の国である。この村にしろ少し歩けばもうそこには薪の材料となる木が嫌になる程あるのが村に入る時に見えていたのである。
「それを使いまして」
「お湯を沸かしてですね」
「この村にはガスも水道もありませんし」
これは二人もおおよそ察しがつくことだった。地図にも載っていない、そして殆どの者が知らないようなこんな村にそうしたものが通っていると思う方が不自然であった。カナダは実に広くそうした村も存在するのである。この時代でも。
「ですから薪を」
「大変ですね」
本郷は牧師の話を聞いて素直に自分の言葉を出した。
「薪っていうのは」
「いえ、カナダでは普通ですよ」
しかし牧師は笑ってこう返すのだった。
「カナダでは至って普通です」
「今でも薪が普通ですか」
「人里離れている家も多いですし」
だからだというのである。
「それでそうした家も多いのです」
「そうなのですか」
「はい。だからです」
また話す牧師だった。
「それで私も慣れていますからどうとも思っていません」
「日本でもまだそうした薪を使う家はありますが」
役が言うのだった。
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