第一章
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だ。仕事ではあるが。
「あるのだがな」
「アメリカは何か色々な街や村やそれこそ色々ですけれど」
「カナダは森ばかりだな」
「噂には聞いていましたけれど凄いですね」
本郷はその周りを見回しながらまた言った。
「もう何日も森ばかり見ていますよ。あと時々野生動物見るだけで」
「オタワから来たのが間違いだったな」
カナダの首都である。カナダの東の方にある。なお彼等が今向かっているのは西の端の方だ。つまりカナダをほぼ横断してしまっているのだ。
「帰りはシアトルからにするか」
「アメリカのですね」
「あそこなら近い」
役は言った。
「こんな苦労をして先に行かなくて済む」
「全くですよ。これがアメリカなら横断の間結構色々楽しめるんですけれどね」
「カナダはそれはないか」
「これがカナダですか」
結構失礼なことまで言う役だった。
「全く。凄い国ですね」
「ある意味ではな」
やはり二人の言葉には棘があった。どうやら何日も同じ風景ばかり見ていていささかストレスが溜まっているようである。それも無理のないことだった。
「しかし報酬はよかった」
「そりゃ一国の政府ですしね」
金があるのも当然だと。本郷は言うのだった。
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